カットやカラー、パーマ、セットなど、さまざまな技術を修得しサロンワークに当たる美容師。
すべての技術を修得してスタイリストとしてデビューしますが、カラーのスキルと知識に特化した「カラーリスト」も活躍しています。
本記事では、美容師がカラーリストを目指すメリットとデメリットについて、分かりやすく解説します。
カラーリストが増えている3つの背景
美容業界でカラーリストが増えている背景は、下記のとおりです。
- サロンが生産性のあるスタッフを早く育てるため
- 海外で就業するため
- 美容師に復帰する際に学び直す技術を絞るため
それぞれの背景について、以下に解説します。
アシスタント期にカラーの技術修得に特化して、生産性のあるスタッフを育成
アシスタント期にカラーに関する技術の修得に注力し、生産性のあるスタッフを早く育成するためにカラーリストを導入するサロンが増加傾向にあります。
通常、アシスタント期はスタイリストのサポート業務に当たるため、アシスタント個人が売上を上げる存在ではありません。
カッター(カラー以外のカットとパーマの施術を担当する美容師)と分業してカラー業務を担えるので、カラーリストは売上を上げられ生産性が高まります。
カラーリストの認知度の高い海外で就業を目指すため
日本ではカラーリストの認知度や普及率が高いとはいえませんが、海外では普及が進んでいる職業です。
そのため、海外でカラーリストとして活動することを目標に、日本でスキルを磨く美容師もいます。
アメリカやヨーロッパでカラーリストとして活躍する日本人が、現地の情報をネット上に公開したり、日本で講習を開いたりしているため、目標に掲げる美容師が増加している傾向にあります。
美容師に復帰する際に学び直す技術を絞るため
美容専門学校を卒業し一度サロンに就職したものの、事情があり美容業界から離れた人も少なくありません。
このような有資格者は「休眠美容師」と呼ばれており、深刻な人手不足が続く美容業界で注目されています。
サロンにおける働き方や求人方法も多様化し、美容師の派遣やスポットバイトなども普及しました。
美容師を派遣する求人サイトや、美容師のスポットバイトに特化した「びすけっとリンク」などの求人媒体も簡単に活用できるようになり、サロンの労働環境が改善されつつあることもあって復帰する休眠美容師も増加傾向にあります。
しかし、ブランク明けにカットとカラー、パーマのスキルを学び直し、さらに美容業界を離れていた間に進化した技術を修得するには時間と労力が必要です。
カラーリストであればカラーに関するスキルと知識の学び直し・修得に絞れるため、復帰に要する時間と労力を抑えられます。
そのままカラーリストとして活躍したり、カラーリストとして活動しながらカラー以外の技術を学び直しスタイリストに復帰したりするなど、復帰後の選択肢を狭めることもありません。
カラーリストになるメリットとデメリット
カラーリストにもメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットについての詳細は、以下のとおりです。
カラーリストになるメリットはデビューまでの早さ
カラーリストになるメリットは、デビューまでにかかる時間を短縮できることです。
スタイリストになるにはカラー以外にも、カットやパーマ、セットなどの技術を修得する必要があります。
サロンによっては、エクステや着付けなどの技術も必要になるケースがあるでしょう。
カットだけでもカラーの修得にかかる時間と同等かそれ以上になるため、すべての技術を修得するには3~5年程度はかかります。
カラーに限定すれば1年以内にデビューすることも可能なので、大幅に時間を短縮できます。
カラーリストになる3つのデメリット
カラーリストのデメリットは、下記の3つです。
- 就職先のサロンが限定される
- デザインの幅に限界がある
- カッターとの相性に左右される
カッターとカラーリストの分業制を導入するサロンが増えたとはいえ、全体からするとまだまだ少数なため、就職先として選択できるサロンが限定されます。
地域によっては分業制を導入しているサロンがない場合もあり、就職活動が困難になるでしょう。
カットとパーマはカッターが担当するので、カラーリストが思い描くデザインを100%表現することは難しいです。
カットラインやすき方によってはホイルワークの妨げになるケースもあります。
そのため、カッターとの相性によってデザインや発揮できる力が左右されます。
カッターとの相性が良く、相乗効果で素晴らしいデザインに仕上がるケースもありますが、すべてを担当するスタイリストに比べて思い通りにならない可能性があるでしょう。
カラーリストはデビューまでが早く、復帰の際の選択肢にもなる
デビューまでの時間を短縮できるメリットがカラーリストにはあります。
そのため、サロンに復帰する際の学び直しにかかる時間も短縮でき、ブランク明けの美容師の選択肢としても有用です。
ただし、分業制を導入するサロンは増加傾向にあるとはいえまだまだ少ないなどのデメリットもあるので、メリットとデメリットのバランスを把握することが重要です。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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