昨今、各メーカーからさまざまな薬剤が提供されており、アプローチが難しかった髪質にも対応できるようになりました。
しかし、選択肢が多くなった分、効果を最大限に引き出すためには、スキルやケミカルに関する知識を求められます。
この記事では、スキルの引き出しを増やし、薬剤に対する幅広い知識を得る方法として有用な「スポットワーク」について解説しています。
スキルと知識の練度が増すサロン勤め
ひとつのサロンに勤め続けるメリットは、スキルと知識の練度の向上と、技術がブレないことです。具体的には以下のとおりです。
取り扱う薬剤が絞られるため、知識が深くなる
ひとつのサロンで取り扱っている薬剤は何種類ほどでしょうか。
カラー剤であれば、メインが1種類と、特長が違うサブのカラー剤を2～3種類取り扱っているサロンが多いでしょう。
パーマ液に関しても、1つのメーカーのラインナップを一通り揃え、用途の違うパーマ液を2～3種類用意しているのではないでしょうか。
前処理や後処理、トリートメントも同数の種類を揃えているわけですが、使う薬剤が絞られているため、扱うスキルの熟練度が増します。
特定のスタイリストに教わる
サロンではアシスタントを教育する際の役割分担が決まっています。
シャンプーは2年目のアシスタントが教え、カラーはスタイリストが教育を担当し、カットは主にオーナーや店長が指導するケースが多いでしょう。
教育の担当が決まっていなかったり、途中でサロンを移ったりすると、教わる内容が異なり、スキルや知識が定まらず混乱します。
教育体制が整っているサロンに勤め続けると教わる内容が一貫しているため、スキルや知識がブレません。
幅広いスキルと知識が身に付く「スポットワーク」
サロンが提案する日時にスポット参加する「スポットワーク」のメリットは、以下のとおりです。
サロンごとに取り扱う薬剤が違う
サロンによって、メインやサブに揃えている薬剤は異なります。
そのため、「スポットワーク」を利用すると、扱ったことのない薬剤やその使い方を知るきっかけになります。
薬剤の性能に頼らないで、ケミカルに関する知識を修めて工夫することは重要です。
しかし、酸性領域でパーマをかけられるスピエラやGMT(グリセリルモノチオグリコレート)などのように、代用が効かない薬剤もあります。
ダメージ毛に対するアプローチの選択肢が増える薬剤ですが、コストがかかり扱い方にクセがあるため、扱っていないサロンも多いです。
扱っていないサロンに勤めている場合は触れる機会がなく、スキルや知識に偏ることもあるでしょう。
その点、「スポットワーク」は、さまざまな薬剤を知るきっかけになります。
さまざまなスタイリストのスキルを見ることができる
薬剤同様、カットやカラー、パーマの技術も多様化しています。
展開図から理論的に進めたり、独自のカットラインがあったりするなど、カットだけでも十人十色です。
カットと関連性の高いパーマにもさまざまな技術があるので、組み合わせによって出来上がるスタイルのバリエーションはさらに多くなります。
多くの技術を知り引き出しを増やしておけば、難しい髪質に対するアプローチ方法も増えます。
さまざまなスタイリストのスキルに触れる機会を得られるのも、「スポットワーク」のメリットの1つです。
サロン勤めと「スポットバイト」の併用
他のサロンを見てみたいものの、サロン勤めから離れることに不安を感じている美容師もいるでしょう。
そのような場合は、講習に行く感覚で、スポットワークをバイト的に取り入れた「スポットバイト」はいかがでしょうか。
「スポットバイト」には、以下のようなメリットがあります。
収入を得ながらスキルや知識を学べる
受講料を払う講習に対して、「スポットバイト」なら給料が発生します。
サロンの労働環境も少しずつ改善し、繁忙期以外は週休二日を取り入れるケースも増えました。
この増えた休日を「スポットバイト」に使えば、新たなスキルや知識を得るきっかけになり、自身の成長につながるでしょう。
ただし、勤務先に話を通さないで「スポットバイト」を始め、後になって知られてしまうとトラブルになる可能性があるので、事前に了承を得ておくことを推奨します。
理想のサロンとの出会い
アシスタント時代は特に、身を置く環境が重要です。
なぜなら、サロンの美容に対する向き合い方や考え方が定着するからです。後々の美容師としての在り方にも影響します。
この大切なアシスタント時代に、美容に対する向き合い方や考え方が理想的なサロンに出会えれば、成長につながる大きなチャンスとなるでしょう。
しかし、サロンの本質は外部からでは、なかなか分かりません。
「スポットバイト」ならサロンワークを通じて、サロンの本質を知るきっかけになり、理想のサロンと出会える可能性が高くなります。
美容師としての成長につながる「スポットワーク」と「スポットバイト」
「スポットワーク」という新しい働き方が、アシスタントにとってメリットがあることを紹介しました。
幅広いスキルや知識を得るきっかけになり、美容師としての成長につながります。
また、サロン勤めから離れたくない場合にも、「スポットバイト」であればサロンに勤めながら、他のサロンの技術に触れるきっかけを作れます。
びすけっとリンクで「スポットワーク」や「スポットバイト」を、自身の成長のために活用してみてはいかがでしょうか。
ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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