美容専門学校で優秀な成績を修めることは、必ずしも美容師としての成功を約束するものではありません。
なぜなら、美容専門学校では国家試験の合格が優先されるからです。
カリキュラムの軸は国家試験対策に置かれているため、現場で必要とされるスキルが国家試験に反映されていないことも加わり、学校の教育内容と美容師に求められるスキルが乖離しています。
また、美容師としての技術はもちろん、接客業に当たる上での技術も必要です。
この記事では美容専門学生に向け、在学中に身につけておくと役立つ5つのスキルについて紹介します。
美容専門学生の間に身につけておくと役立つ5つのスキル
スキルを身につけるのは就職してからでも間に合うと考える人もいますが、早い段階から意識的に取り組まなければ修得できないスキルがあります。
カットやカラー、パーマなどの美容師的な技術は就職後でも十分に修得できますが、コミュニケーション能力やメンタル力などの優秀なビジネスパーソンに求められるスキルの修得は容易ではありません。
また美容師が持っていると役立つ資格は、在学中に取得することで就職活動を有利に進めるための材料にもなるでしょう。
5つのスキルについて、以下に紹介します。
幅広い年代に対応できるコミュニケーション能力
学生時代は同じ年代や近い年代だけでも人間関係が完結しますが、社会人になると幅広い年代とコミュニケーションを図る必要があります。
サロンのオーナーや上司、先輩と良好な人間関係を構築するだけではなく、さまざまな年代の顧客と信頼関係を築かなければいけません。
同年代や近い年代には通用するノリやテンションでも、不快に感じる世代はいます。
接する年代が偏っている場合は、バイト先や参加するコミュニティなどを通じて対応できる年代の幅を広げましょう。
色彩検定やヘアケアマイスターなどの資格
下記の資格は美容専門学校に在学中でも取得でき、就職や転職の際に有利です。
- 色彩検定
- ヘアケアマイスター
- 日本化粧品検定
- メイクアップ技術検定
- プロアイリスト検定
ただし、ヘアケアマイスターは在学する美容専門学校が日本ヘアケアマイスター協会に加盟している場合のみ受験が可能で、加盟していない学校の生徒は美容師免許を取得してからでなければ受験できません。
就職してからでは、サロンワークやサロン内の技術テストなどに時間を割かれるので、資格のための勉強時間の確保は難しくなります。
就職活動を有利に進めるためにも、在学中の資格取得が推奨されます。
参照資料
サロン全体を見渡す広い視野
部活や学校のイベントなどで、周りが見えておらず自分のことしか考えていない人はいませんでしたか？
サロンワークではスタイリストが受け持つ顧客や施術内容が刻一刻と変化するため、広い視野を持って状況を判断しなければいけません。
何年美容師に就いていても視野が狭い人はいるので、経験ではなく意識づけが重要なスキルといえます。
まずは、学校のイベントやバイト中、自分の作業だけに集中するのではなく、自身の作業を進めながらも全体の流れを意識しましょう。
そして、全体の流れが把握できるようになったら、作業が遅れているところをフォローしたり、先回りして準備したりします。
つまり、広い視野とは「気配りができる」や「一歩、二歩先を考えている」と評価される人が持つスキルでもあります。
美容師に限らず、どの業種でも重宝されるスキルなので、意識づけから無意識にできるレベルに達するまで努力を続けましょう。
また、周りが見えていない美容師は機微にも疎く、顧客が付きにくい傾向にあります。
失敗を乗り越えるメンタル
全く失敗せず、順風満帆に美容師の道を歩む人はいません。
サロンワーク中に失敗したり、スタイリストや顧客から叱責を受けたりなど、落ち込むこともあるでしょう。
メンタルの持ち直し方は人によってさまざまなので模範解答はありませんが、挑戦と失敗を繰り返すことで自分なりの最適解を導き出すことは可能です。
逆に挑戦も失敗もないまま就職するとメンタルの持ち直し方が分からず、離職に陥るおそれがあります。
情報収集能力
就職先を探すときはもちろん、新しい技術や薬剤、流行りのスタイルなどを知るために美容師になってからも情報収集能力は必要です。
ネットとSNSの普及で、情報収集は簡単になりました。
サロンの労働環境や人間関係など、募集要項以外の情報の収集も難しくありません。
しかし、情報過多になり、間違った情報も含まれているため、自分が必要とする正しい情報を収集する能力が求められます。
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美容師として生きていく上で重要な5つのスキル
紹介した下記の5つのスキルは、美容師として生きていく上で重要です。
- コミュニケーション能力
- 資格
- 広い視野
- メンタル
- 情報収集能力
特に情報収集能力は、転職や独立の際にも役立ちます。
サロン専門求人サイトや転職エージェント、スポットワークなど、求人媒体の種類が豊富になった分、精査と取捨選択が重要になりました。 美容師として求められるスキルを身につけ、アップデートし、情報の精査と取捨選択の精度を向上させることで、競争の厳しい美容業界を生き抜く力が養われるでしょう。
就職前の経験としてオススメは「美容師スポットバイト・スポットワーク」
美容師スポットバイト・スポットワークは、単発の依頼を受けて指定された日時だけ働くバイトです。
小売店や接客業などのアルバイトで広まりましたが、美容師とサロンのマッチングに特化したバイトも普及が進む働き方です。
収入を得られるのはもちろん、他店舗の技術や知識を吸収する機会になり、美容師の人脈が広がるメリットもあります。
美容学生には就職前の経験として大いに役立ちます。
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは？
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
美容学生にオススメ記事
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ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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