美容専門学校の全日制は2年間しかないので、入学して1年が経過するころから就活に向けて動き始めます。
就活に取り組む際に、初めにしなければならないのは「美容師として何を美容室に求めるのか」や「どのような美容師像を目指すのか」という点を明確にすることです。
この部分が曖昧なままでは就職先を選ぶ基準もハッキリせず、就職しても「何か違う……」といったギャップに陥るおそれがあります。
この記事では、美容室に求める条件や目指す美容師像を明確にすることの重要性や、美容室を選ぶ際の3つのポイントについて解説します。
求める条件や目指す美容師像によって美容室を選ぶ基準は変わる
労働環境や待遇など、求める条件によって美容室を選ぶ基準は変わります。
仕事とプライベートの両立を目指すなら、週休二日制や営業時間外の拘束が少ない美容室が適しているでしょう。
スキルアップとスタイリストへの昇格を第一にするなら、スタッフ教育に注力する美容室が適しています。
スタッフ教育に注力する美容室は教育カリキュラムが整っている一方、練習時間を確保しなければならないため、プライベートの時間が割かれることは覚悟する必要があります。
美容師像についても同様に、フォトコンテストや技術コンテストで結果を出す美容師を目指すならその実績を持つ美容室が、ケミカル理論に長けた美容師を目指すならヘアケアに重点を置く美容室が適しているでしょう。
「どのような美容師になりたいのか」や「どのような働き方をしたいのか」といった点を明確にすることで、その目的や目標の達成につながる美容室が絞られます。
美容専門学生は学校の授業や国家試験に向けた対策を講じながら、就職活動にも取り組まなければいけません。
そのため、自分に適した美容室を絞り込み、効率的に就職活動を進める必要があります。
就職先の美容室を選ぶ3つのポイント
就職先の美容室を選ぶ際は、下記の3つのポイントを基準に判断しましょう。
- なりたい美容師像とサロンコンセプトとのマッチング
- 美容師としての成長
- 労働環境
それぞれのポイントについて、以下に解説します。
なりたい美容師像とサロンコンセプトのマッチング
上記でも触れたように、就職先の美容室を選択する際には、なりたい美容師像とサロンコンセプトをマッチングさせることが重要です。
稼げる美容師になりたいなら、技術力と集客力に定評があり、繁盛している美容室がマッチしています。
将来的に海外で活動したい場合は、英語対応や外国人向けの施術を強みとして打ち出している美容室で経験を積むことが推奨されるでしょう。
「コンテストで結果を出す」や「クセ毛への対応力を養いたい」、「特殊系スキルを修得したい」など、具体的な美容師像をイメージするほど、就職先として適した美容室が明確になります。
美容師としての成長を優先するなら回転率の高いサロン
髪質や施術履歴は千差万別です。
そのため、さまざまな髪質に触れ、複雑な履歴を持つ髪の施術に苦心するほど、スキルの幅が広がり対応力も身につきます。
自分で黒染めをして仕上がりにムラがある上、既染部の判断が難しい髪。
他店でパーマをかけ、毛先がリンクルヘアになったお客様からの相談など、ハードルの高い施術を請け負うこともあります。
「当店では対応できません」や「承諾書(失敗しても返金やクレームには応じない旨の約束)」などでトラブルを回避することもできるでしょう。
しかし、他の美容師が避けたがる難題だからこそ、納得いく仕上がりになれば長く通ってくれる顧客になる可能性が高くなります。
強固な信頼関係を構築できれば、家族や友人、知人の紹介も期待できるでしょう。
難しい履歴を持つ髪に対応するスキルを身につけるために必要なのは経験値です。
経験値を得るには回転率の高い美容室に就職し、さまざまな髪に触れることが推奨されます。
労働環境
回転率の高い美容室は忙しく、営業時間や練習の終わる時間も遅くなりがちです。
当然、プライベートの時間の確保は難しくなります。
仕事とプライベートの両立を目指したいなら、労働環境が就職先の美容室を選ぶ基準になるでしょう。
完全週休2日制や、土日に休みを取得できるように労働環境を整えている美容室の方が、仕事とプライベートを両立しやすいのは言うまでもありません。
また、出産や育児との両立を目指すなら、産前産後休暇や育児休暇、育児をサポートする制度を整えている美容室が選択肢に入るでしょう。
美容業界は人手不足が続き、その解消のために働き方の改善や多様化が進んでいます。
子育てしながらでも働き続けられる美容室、短時間勤務やスポットバイトといった多様性のある働き方の導入など、美容師を取り巻く労働環境は改善されつつあります。
出産を機に美容業界から離れるケースも見受けられますが、美容室の選択を間違えなければ両立は可能です。
就職の際には、「長く美容師を続ける」ために労働環境を基準に選ぶのも選択肢の一つになるでしょう。
就職先の美容室は3つのポイントを基準に選ぶ
就職先の美容室は、まずはなりたい美容師像や求める働き方を明確にし、下記の3つのポイントを基準に選びましょう。
- なりたい美容師像とサロンコンセプトとのマッチング
- 美容師としての成長
- 労働環境
どのポイントも美容師を続ける上で、重要なポイントとなっています。
理想とする美容師像に近づき、長く美容師を続けられるように、就職先の美容室を選ぶ際には紹介した3つのポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。
就職前の経験としてオススメは「美容師スポットバイト・スポットワーク」
美容師スポットバイト・スポットワークは、単発の依頼を受けて指定された日時だけ働くバイトです。
小売店や接客業などのアルバイトで広まりましたが、美容師とサロンのマッチングに特化したバイトも普及が進む働き方です。
収入を得られるのはもちろん、他店舗の技術や知識を吸収する機会になり、美容師の人脈が広がるメリットもあります。
美容学生には就職前の経験として大いに役立ちます。
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは？
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
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ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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