スタリストになってから10年以上経過し、30代は美容師にとって転換期を迎えます。
順調に指名客数が伸びていれば独立やフリーランス、現在の環境に疑問を抱えているなら新天地を目指すなど、40代50代を見据えた上での決断を迫られるでしょう。
この記事では、転換期を迎える30代の美容師が、サロンを移る際に押さえておくべき2つのポイントについて解説しています。
30代は美容師にとっての転換期
30代の美容師はスタイリスト歴が10年以上になり、待遇面や役職に違いが生まれます。
順調に指名客数や売り上げ伸びているスタイリストは、店舗を任されたり後輩の教育を担ったりするなどサロンの経営に深く関わるでしょう。
逆に指名客数や売り上げが伸びていないスタイリストは、役職に就けず経営に関わることもないためその状況に疑問を抱えているかもしれません。
40代、50代と将来を考えた時に、待遇面や収入面で不安にもなるでしょう。
そのような場合には、働く環境を変える意味での転職で現状を打破するのも選択肢の1つです。
しかし、サロンを移ると顧客と売り上げが減る可能性があります。
転換期の決断はその後の美容師人生を左右するため、できる限り失敗の可能性を抑える必要があるでしょう。
次項から30代の美容師が転職する際に、押さえておきたいポイントの詳細を解説しています。
失敗しないサロンの移り方
サロンを移る場合は所属していたサロンと転職先、両方への配慮が重要になります。
オンライン上でのつながりを断つことが難しい現代では、トラブルに発展するような辞め方だと後々の美容師活動に影響が出る可能性もあります。
また、サロンを移ってもすべての指名客がそのままついて来るわけではありません。
場所やサロンを気に入って来店していたお客様もいるので、サロンを移ると指名客と売り上げは下がります。
そのため、移動先のサロンは慎重に選ぶ必要があります。
移動先と所属していたサロン、それぞれへの対応策は以下のとおりです。
「スポットワーク」で転職先の候補を探す
新しいサロンが期待と違ったり説明された待遇と異なったりするといった事態に陥らないためには、移る前にサロンワークを体験するのが有効な手段です。
サロンに勤めている状態では難しいサロンワークのお試しですが、スポットワークであれば休日と募集されている日が合えばサロンワークを体験できます。
単発で人手が欲しいサロンと、求められるスキルを持つ美容師がマッチングする新しい働き方がスポットワークです。
休日を利用してスポットワーカーを募集しているサロンに出向くことで、求人やオンライン上の情報からでは分からない現場の状況を把握できます。
スタッフとコミュニケーションが図れるのでサロンワークだけではなく、人間関係も知ることができます。
お世話になったサロンへの配慮
サロンを辞める際に、辞めるタイミングと顧客情報の取り扱い方を間違えるとトラブルに発展する可能性が高くなるでしょう。
民法上では14日前までに退職の意思を伝えれば問題ありませんが、顧客やその他の業務の引継ぎを考えると十分な期間とはいえません。
また、それまで通っていただいたお客様へのあいさつにまで配慮するなら、2～3カ月前に意思を伝えた方がスムーズに退職できるでしょう。
サロンから顧客を奪うとトラブルにつながり、個人情報の取り扱い方を間違えると最悪の場合は裁判に発展します。
接客中に移動先のサロンに勧誘したり、個人情報を持ち出したりするようなことは控えましょう。
とはいえ、通うサロンを選ぶのはお客様です。
お客様にはSNS上で連絡が取れるようにしておけば、トラブルを回避しつつ新しいサロンに通ってもらうきっかけになります。
ただし、退職の意思を伝えてからお客様にSNSの話をすると勧誘と変わりません。
事前に髪のお手入れ方法の解説や相談の窓口としてSNSやブログを運用し、顧客とのコミュニケーションツールとして活用すると転職に限らず顧客満足度の向上にも役立ちます。
令和に合った働き方やコミュニケーションツールを活用して転職を成功させる
SNSが普及し、サロンの外でも美容師とお客様がコミュニケーションを図れるようになりました。
有益な情報を発信したり髪に関する悩みの相談に乗ったりすることで顧客満足度につながる上、サロンを移る際にはトラブルを回避した連絡手段にもなります。
また、スポット的にサロンワークに参加するスポットワークは、美容師の副業としても注目される新しい働き方です。
サロンワークを事前に経験しておけば、転職した後でギャップに悩む可能性を抑えられます。
美容師として転換期となる30代、現状に悩んでいる場合は新天地を目指すことも選択肢の1つです。
転職を検討する際には、お世話になったサロンとトラブルにならないように配慮しつつ、理想のサロン探しにスポットワークを取り入れてみてはいかがでしょうか。
スポット美容師専用の「びすけっとリンク」では、空き時間に合わせて自由に働くことができます。
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ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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