卒業式の日、美容学校長いわく
「美容師の離職率は3年で50%である」
美容師として働くことが決まったキラキラ度100%の若者に言うセリフか、と当時は思いましたが今ならその言葉が理解できます。
理想と現実の大きなギャップ職が美容師
美容師めちゃくちゃ大変ですよね。
ずっと立ちっぱなし歩きっぱなし、手は荒れるわ腰は痛いわ肩は凝るわ。
華やかなイメージとは裏腹に超体育会系職業な美容師。
朝から立ちっぱなし、帰宅すれば泥のように眠り、プライベートの時間を割いて練習漬けの日々。
やっとスタイリストに上がったと思ったら次は数字管理、後輩育成。
責任感だけ倍増、給料微増。
それでも私は美容師8年目になります。
キャリアの途中産休もいただきましたが、復帰して美容師を続けています。
なんでこんな大変なんだってブチギレたくなることもありますが、それでもありがたいことに続けたいと思える環境があるおかげでハサミを握れています。
今は美容師はサロン勤務だけではありませんし毎日出勤しないやり方も選べます。
心と身体に負担がかかって辞めたいけど辞めれない、続けたいけど悩んでしまう
そんな美容師さんがこの記事を読んでなにかのヒントになれば嬉しいです。
サロンを辞めたくなるときってどんな時?
夢見た美容師
やめたくなる理由TOP3はこんな感じだと思いますがどうでしょうか。
手荒れや腰痛など身体的理由
手荒れが痛すぎて何もできません。
そう言って辞めていくのを何人も見ました。
こればかりは体質もあり自分で選べるもんじゃありません。
会社に相談してシャンプーに入る回数を減らすなど一度相談してみるといいかもしれません。
精神的な理由
時として肩に重くのしかかる目標設定。
売上や店販など数字の目標達成は仕事上つきものですが、無理な目標設定は心を病んでしまいます。
さらに昔の体育会系世代と今の世代では激しいギャップで苦しむ人間関係もきついですよね。
そのような場合は、無理するより上司に相談して店舗移動をしてもらう、もしくは違うサロンに移るのも良いと思います。
違う仕事に興味が湧いた
美容師以外の友人から仕事の話を見聞きすると、楽そう、楽しそうだなぁと思ってしまいますよね。
若いうちに色々やってみるのも良いと思いますが、でも美容が好きだからやめられない方
美容室に薬剤を卸してくれるディーラー・メーカー業はどうですか?
お客様との関わりは少ないですが接客が苦手、手荒れなどの問題がある方も美容を続けるという意味ではアリな選択かもしれませんね。
美容師経験者は優遇されることが多いので前向きに検討してみてはどうでしょうか。
辞めたい美容師を続けられる働き方
美容師のように辛い仕事はなかなかないかもしれません。
悩んでも答えも出ないし、もう辞めちまえ!となる気持ちもわかります。
でも決断する前に、せっかくなった美容師を違う形で続けてみるのもアリじゃないですか?
最近の美容師の働き方は様々で、勤務先のサロンにも特徴があります。
1日のうちの半分近くを過ごすサロンにこだわるのは当然ですから自分にあった働き方=サロンを見つけるのが大事だと思います。
サロンに所属する従来の美容師
サロン辞めたい、と思うけどサロンに所属するって沢山メリットがありますよね。
・集客がしやすい
・講習会などが充実してスキルアップが望める
・給料や休暇に満足している
・人間関係が良好
もちろんそれ以外のメリットもたくさんあります。
今働いているサロンは、あなたの譲れない部分と合っていますか?
サロンを変えずに働き方改革
サロンに不満は無いしこのまま働きたいけど子育てしながらは難しいかな、とママ美容師なら悩みがちですが
思い切って時短勤務をサロンにお願いするのも良いかもしれません。
子育てと仕事の両立を図るのはきっと不安もあると思いますが、同じサロンで復帰することで客離れを防ぐのと同時に
スタッフ、お客様両方の理解が得られやすく失うものも少ないはずです。
曜日指定や、予約のある日のみなど時短方法も選べるのでは?
プレッシャーで焦らずに、子育てと美容師のどちらも大事にできるゆとりを持った働き方を選んだっていいはずです。
新しい美容師像 フリーランス美容師
最近シェアサロンやフリーランス美容師の事をよく耳にします。
煩わしい社内の人間関係や教育を切り離し、お客様に専念できるのはとても魅力的です。
シェアサロンのようなフリーランス美容師は、勤務時間や休みは自分で組める分プライベートを充実させやすいのが特徴です。
不安定な面もありますが、今ではSNSを駆使してバリバリ集客しちゃうフリーランス美容師も大勢います。自分の力を試したい!という方はフリーランスで挑戦するのもとても素敵だと思います。
ちなみにフリーランス美容師は主に3種類あります。
面貸し美容師
面貸し美容師とは、サロンの1セット面を月額(日毎、週毎も有り)で契約し、家賃や使用料を支払う代わりにサロンを自由に使える美容師。
基本売上は全て自分の収入とすることができメリットが多い反面、集客は自分で行う手間が発生し売上が安定しにくい。
業務委託美容師
業務委託とはサロンと契約し、サロンに来るお客様を普通の美容師のように対応すす。
社会保障や家賃負担等がない代わり、売り上げた金額の割合を報酬としてもらう。
面貸しよりは利益率が低いが、集客などはお店がやってくれることが多いためある程度安定した働き方ができる
スポット美容師
日にち、時間単位で美容室と契約し、美容師業務を行う新しい美容師のスタイル
応募があれば自分の好みの場所、日にち、時間で働くことができ煩わしい人間関係もほぼ無い。
技術力、接客力が試されるが、人手不足美容室の新しい働き方として最近話題になっている。
出張美容師
出張美容師も最近は需要が増えてきているようで、老人ホームや病院など美容室まで来れないお客様のもとへ出向いてカットするのがお仕事です。
出張美容師も予約のある時だけの出勤となりますから、プライベートも充実できて美容師ならではの働き方としてとてもいいですね。
美容師を続けるということ
私も人生の様々な場面で美容師を続けることを悩んだ1人です。
店舗管理者としての責任につぶれそうになり、美容師自体を辞めようと思ったことも何度もあります。
それでも辞めずに続けられたのも、この仕事を好きだと感じる瞬間が沢山あったから。
大勢のお客様の「また来るね」が脳裏をよぎり、その一言が私を美容師に繋ぎ止めています。
そんなお客様が待っててくれたことや会社の理解もあり、ありがたいことに同じサロンに時短で復帰することにしました。
もちろん家族とも会社とも何度も話し合った事が心の整理になり、非常に大切だったように思います。
もし、私がSNS集客ができたら、即フリーランスになって子育てしながらゆったりと働ける環境を作ったでしょう。
もし、あと数年子どもができていないままであれば、サロンを変えて数字のストレスがない環境を探していたかもしれません。
もし、私にもっと向上心があったら、流行を作る大型サロンへ移動していたかもしれません。
”サロンを変える事も”
”働き方を変える事も”
あなたの正解は自問自答を繰り返し、会社や家族ときちんと話し合い周りの理解が得られれば現状は必ず良くなります。
どこで心と身体の折り合いをつけるかは簡単なことではありませんが、大切な人とよく相談してみることで先が見えるはずです。
あなたらしい理想の働き方は思い描けましたか?
どうしても美容師しんどい
なら一旦辞めて、やっぱり理想や夢が忘れられなければいつでも戻ってくればいいんです。
この記事で、今のままって正解だったんだ!とか、こうやってみようかな?と少しでもヒントやきっかけになったら嬉しいです。
キラキラ度100%で夢見た憧れの美容師ってどうやったらなれるのか思い続けて早数年。
せっかく志した美容師を、辞めるなんて私は勿体無いと心と身体に折り合いをつけながらママになっても美容師を続けています。
ライター:汐梨
美容短大を卒業したのちに通信制の美容学校に入学。美容院で働きながら美容師免許を取得。
現在では子育てと仕事の両立に悩みながら日々を送るママ系美容師
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