体調を崩したりコロナの影響を受けたりなど、美容師がサロンから離れる理由はさまざまです。
専門学校に通い努力して取得した美容師免許、ムダにはしたくないもののブランクから一歩踏み出せない美容師もいるのではないでしょうか。
この記事では、ブランクを解消してサロンに復帰するまでも3ステップについて解説しています。
ブランクがある美容師も需要はある
多くのサロンは人手不足なため、ブランクがあっても美容師の需要はあります。
厚生労働省が公開する令和4年9月分の「一般業種紹介状況」によると、美容師を含む「生活衛生サービスの業種」の有効求人倍率は3.25倍です。
美容師として働きたい人の3倍以上の人手をサロンは求めています。
美容師とサロンのバランスが悪くなっており、新卒採用だけでは改善は難しいでしょう。
そのため、休眠状態の美容師が注目されています。
厚生労働省が公開している美容業概要によると、平成27年3月時点でサロンに従事している美容師は49万6697人です。
同省の「理容師・美容師制度の概要等について」では約123万8000人の美容師免許保有者がいるので、サロンに勤めていない美容師免許保有者は約75万人になります。
すでに別の職種に就いていたり、年齢的に美容師として働くのは難しかったりする資格保有者も含まれていますが、令和2年度の美容師試験に合格した1万8495人よりは多いと考えられるでしょう。
新卒採用では十分にマンパワーを補えないため、人数が多くサロンワークの経験がある休眠状態の美容師が注目を浴びています。
参照:
厚生労働省 一般業種紹介状況
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001003849.pdf
厚生労働省 美容業概要
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/seikatsu-eisei03/06.html
厚生労働省 理容師・美容師制度の概要等について
URL:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000113247.pdf
【ステップ1】勘を取り戻す
スムーズにサロンに復帰するまでの3ステップについて解説します。
ステップ1は、勘を取り戻すことです。
サロンワークから離れていた間に、手が仕事を忘れていたり、進化した薬剤についていけなくなっていたりします。
そのため、現在の実力だとどの程度サロンワークに対応できるか把握することは難しいでしょう。
勘を取り戻しつつ、新しい薬剤の情報を得るための方法は「講習」と「スポットバイト」の2つです。
講習を受ける
美容師を続けている知人に教えてもらうか、ディーラーがホームページに掲載している情報から美容師の講習を受けましょう。
座学でも技術やケミカル知識を吸収できますが、より効率的なのは実際にウィッグやモデルに施術するワークショップ型の講習です。
また、アカデミーを併設したサロンも選択肢に入ります。
受講料がかかるアカデミーや修了後に運営するサロンに勤めるなら無料で受講できるアカデミーなど条件や費用はさまざまです。
カリキュラムが体系化されているため、一から美容を勉強し直す場合には有用です。
「スポットバイト」でサロンワークを思い出す
ワークショップ型より効率的に勘を取り戻せるのが「スポットバイト」です。
新しい働き方としてスポットバイトを取り入れるサロンが増えています。
スポットバイトはサロンが指定する日時に単発的に参加します。
実践を通じて勘を取り戻せる上、収入も得られることがメリットです。
【ステップ2】転職先の下調べ
勘を取り戻したら、ステップ2の転職先の下調べです。下調べには「求人情報」と「SNS」を利用します。
サロンのホームページやスタッフのSNS
目星を付けたサロンがホームページに掲載している情報や、スタッフのSNSを確認しましょう。
ホームページにスタイルやブログなどが掲載されている場合は、そこからメインターゲットやサロンの運営方針を推測できます。
スタッフがSNSにサロン名を登録しているなら、配信している情報からサロンの内情をうかがえるでしょう。
ブログやSNSにサロンワークの情報を載せている場合に確認しておきたいのが新規客の来店状況です。
固定客が多く新規客が少ないサロンでは担当に入れる機会が少ないため、 サロンに復帰できたとしても顧客が付かなければ収入面や将来性に不安を抱えてしまうでしょう。
求人の掲載や「スポットワーク」を導入しているか
働く上で、福利厚生や給与は大切です。
そのために求人情報を確認しますが、美容師は給与体系が複雑です。
スタイリストの場合は完全歩合制や部分歩合、歩合のパーセンテージなど、サロンによってさまざまな給与体系があります。
アシスタントの場合でも技術手当てが付くケースが多いので、実際の給与額を求人情報から知ることは難しいでしょう。
求人情報より詳しく待遇面を知りたい場合は、サロンが「スポットワーク」や「スポットバイト」を導入しているかを調べます。
活用してサロンワークに参加すれば待遇面やサロンの内情を知るきっかけになります。
【ステップ3】就職に向けたアプローチ
ステップ3は就職に向けたアプローチです。
以下に2つのアプローチを解説します。
面接を受ける
面接では、自身を過小評価する必要はありませんが、過剰にアピールしないようにしましょう。
講習やスポットバイトでどこまで勘を取り戻せているかを正確に伝えることが大切です。
就職前後に技術チェックがあるケースが多いので会話で盛った実力は必ずバレます。
「スポットワーク」で売り込む
就職したいサロンがスポットワークを取り入れているなら、サロンワークを通じて売り込むのも方法の1つです。
技術力や接客力をアピールするチャンスになるので、面接よりも自身を売り込めるでしょう。
経営者やスタッフとコミュニケーションを図れるため、サロンが求める人材とマッチングすればスムーズに就職できます。
「スポットバイト」を活用して、ブランクからスムーズにサロンに復帰する
全国的にサロンは人手が不足している傾向にあり、改善のために休眠状態の美容師が注目されています。
ブランクのある美容師がサロンに復帰するには3つのステップが重要です。
ステップ1 勘を取り戻す
ステップ2 サロンの情報収集
ステップ3 サロンに自身を売り込む
3ステップに共通するのが「スポットバイト」が有用だということです。
勘を取り戻す際には現場のサロンワークが効率的であり、就職ではサロンワークを通じて自身を売り込めます。
ブランクからサロン復帰を検討しているなら、「スポットバイト」を活用してみてはいかがでしょうか。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
#美容室のスポットバイト #美容師のスポットワーク #びすけっとリンク #ビスケットリンク #びすけっとりんく