指名や予約制度の影響で、出産や育児休暇を取得しにくい美容室。
結婚や出産を機に、サロンワークから離れた美容師も多いのではないでしょうか。
美容業界は慢性的な人材不足に陥っており、努力の末に身につけた技術が求められています。
しかし、子育てと美容師の両立を目指す際に、ハードルとなるのが「子どものお迎え」と「看病」です。
この記事では、ハードルを解消しつつ子育てと美容師を両立するポイントについて解説しています。
子どもの送り迎えや看病の役割分担を確認することが第一歩
サロンワークへの復帰を目指すなら、子どもの送り迎えや看病の役割分担の確認が第一歩になります。
サロンワークと育児の両立の壁となっているのが、保育園などの託児所への送り迎えと、体調不良による急なお迎えへの対応です。
ママ美容師だけが送り迎えに対応する場合は勤務時間に制限ができ、急なお迎えへの対応で指名客や予約客への接客が難しくなります。
看病も必要であれば、仕事を休まなければいけません。
そのため、子どもの緊急時のお迎えや看病を担う人がいるかの確認が重要になるのです。
送り迎えや急なお迎えを担う人がいるならフルタイム勤務
子どもの体調不良による急なお迎えの要請や看病、普段の送り迎えを担う家族がいるなら、フルタイム勤務でサロンに復帰できます。
出産前と同じ働き方ができるので、指名客や新規客にも対応でき売り上げを伸ばせる可能性があります。
子育ての役割分担ができているのでサロンの選択肢は多いですが、決め手になるのは土日祝日に休暇を取得できるかというポイントです。
勤務形態が多様化したため平日に保育園や幼稚園のイベントが開催されるケースも増えましたが、運動会や入学式などの大きなイベントは土日開催が主流のままです。
サービス業は人が休みの時に働くものですが、子どもの成長を感じられる貴重な機会であるイベントに参加できなければ、後悔につながる可能性があるでしょう。
勤め始めてから後悔やトラブルにならないように、面接時に土日祝日の休暇取得について確認しておくことをおすすめします。
急なお迎えに応じる必要があるならパートやアルバイト
子どもの送り迎えや、急なお迎えにも対応しなければならない場合は、パートやアルバイトとしてサロンに復職することを選択肢に入れましょう。
勤務できる時間に制限があり、特に急なお迎えへの対応で指名客や予約客への接客が難しくなるからです。
パートやアルバイトでサロンに復職するデメリットと、その解決策を以下に解説します。
アシスタントとして扱われる可能性
パートやアルバイトでサロンに勤めた場合、アシスタントとして扱われる可能性があることがデメリットです。
お迎えへの対応で指名客や予約客を担当することが難しいため、他のスタイリストのヘルプがメインのサロンワークになります。
指示に従う施術が多くなり、カットに入れる機会は減ります。
業務内容はアシスタントと大差がなく、カット勘もにぶる可能性があるでしょう。
アシスタントに抵抗があるなら専門サロン
スタイリストの経験があるのにアシスタントとして扱われることに抵抗があるなら、専門サロンを検討してみてはいかがでしょうか。
専門サロンとは「カットのみ」や「カラーのみ」といったように、施術内容を限定して提供しているサロンです。
老人ホームや介護施設を訪問する「福祉美容」も、専門サロンに含まれます。
これらのサロンは指名制度を採用していないケースが多く担当者が決まっていないため、スタッフがフォローし合い穴を埋めることで急なお迎えにも対応できます。
ママさん美容師へのサポートを待遇の売りにしているサロンもあり、子育てに対する理解があることも特徴です。
施術内容が限定されているので、ブランク明けですべての施術に入るのは不安な場合にも適しています。
福祉施設のサービスの一環として、訪問美容の提供も普及しています。
移動式のセット面やシャンプー台を施設に搬送したり、内部にセット面やシャンプー台を取り付けた移動理美容車を利用したりするなど、福祉美容の形態はさまざまです。
福祉施設の増加やサロンの経営戦略の拡大を背景に、需要が高まっています。
勤務可能な時間が不規則なら「スポットバイト」
育児や家庭の環境によっては、勤務可能な時間が不規則な場合もあるでしょう。
働ける時間が定まっていなければ、パートや専門サロンに勤めることも難しくなります。
勤務可能な時間が不規則なケースに有用なのが「美容師のスポットバイト」です。
「美容師のスポットバイト」は、サロンが指定する日時のサロンワークにスポット的に参加する新しい働き方です。
美容師の単発のアルバイトのような働き方なので、働ける時間が不規則な場合に適しています。
求められるスキルは募集要項に記載されており、ブランクが不安であればアシスタント業務から勘を取り戻すとスムーズにサロンワークに復帰できるでしょう。
子育てと美容師の両立はサロン選びがポイント
子育てと美容師を両立させるには、働ける時間や急なお迎えの有無に適したサロンを選ぶことがポイントです。
急なお迎えや看病を担う家族がいるならフルタイム勤務、急なお迎えに対応しなければならない場合はパートや専門サロンが適しているでしょう。
働ける時間が定まっていないケースには「美容師のスポットバイト」も有用です。
まずは子育ての役割分担を確認し、子育てと美容師を無理なく両立できる働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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