美容師アシスタントがかかりやすい、怪我や病気の中でも名前が上がりやすいのが腱鞘炎ではないでしょうか。
腱鞘炎は、手を酷使する美容師の「職業病」と呼ばれることもあるほど、症状に悩む人が多い病気です。
この記事では、腱鞘炎の概要や予防策について詳しく解説していきます。
腱鞘炎を放っておくと後に手術が必要になることもあるため、ぜひ参考にしてください。
美容師アシスタントを悩ませる腱鞘炎とは？
腱鞘炎とは手首周辺の腱のうち、腱鞘と呼ばれる部分が炎症を起こす疾患です。
美容師アシスタントは業務中にシャンプーやパーマなどで、普通の人より手を多く使います。
また、練習時間にも長時間ハサミを握り、同じ動作を繰り返すことで手を酷使しがちです。
1日でも早くデビューしたい気持ちからついつい無理をしてしまう人も多く、腱鞘炎は美容師アシスタントの職業病と言われています。
腱鞘炎になる原因
腱鞘炎の主な原因は手首周辺の腱を一定の姿勢で長時間使用したり、同じ動作を何度も反復したりすることです。
美容師アシスタントは業務内容上仕方なく同じ動作を繰り返すことが多いため手首周辺の腱に負荷がかかり、腱鞘炎を発症する可能性が高いです。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎の主な症状は、手首周辺の痛みや違和感です。
手首を動かす際に痛みを感じたり、指が曲がりにくくなったりする場合があります。
美容師がかかりやすい腱鞘炎は「バネ指」と「ドケルバン病」の2種類であるため、それぞれについて詳しく解説していきます。
バネ指
美容師がなりやすい腱鞘炎の1つがバネ指です。
腱と腱鞘部にコブのようなできものができ、指を動かす際に引っかかりを感じたり、指がバネのように弾いてしまったりなどが、特徴的な症状として挙げられます。
連続して指に負担がかかる動作を行う、加齢により腱や靱帯性腱鞘の動きが悪くなった、糖尿病や関節リウマチ、腫瘍などが原因として考えられます。
症状が悪化する程治療に時間がかかり、後遺症のリスクもあるため早めの治療が大切です。
「仕事だから」と無理をすれば後にお店に大きな迷惑をかける恐れがあるため、症状が出始めたら早めにお店に相談しましょう。
ドケルバン病
ドケルバン病は、親指の付け根に「ズキッ」とした痛みや腫れを引き起こし、進行すると手術が必要になる病気です。
美容師が発症しやすい理由は、ハサミで親指を使いすぎることにあります。
他にもプライベートでのスマートフォン、パソコン、楽器の演奏などでの親指の過剰使用が原因のひとつであり、更年期や出産前後の女性、糖尿病患者も発症しやすいとされています。
自己診断には「アイヒホフ・テスト」があり、親指を手の中に入れて手を小指の方に傾けた際、痛みが生じる場合は注意が必要です。
症状が軽度でも、病気の進行を遅らせるために親指の使用を控え、早期に医師の診察を受けることが大切です。
ドケルバン病が重症化すると仕事からの長期離脱にもつながるため、手遅れにならないうちに適切な治療を行い健康な手指を保ちましょう。
腱鞘炎になりやすい美容師アシスタントの業務内容
美容師アシスタントが腱鞘炎になりやすい業務内容には、以下のようなものが挙げられます。
● カット
● パーマ（ワインディング）
● ブロー
● シャンプー
● ヘッドスパ
他にも、業務外の練習や清掃作業などでも腱鞘炎のリスクが高いとされています。
また、美容師アシスタントは仕事中に手を酷使していることから、常に手に疲労が溜まった状態です。
そのため私生活の料理など何気ない動作がきっかけで腱鞘炎が発症してしまう可能性もあるため、日頃からケアをしっかり行いましょう。
美容師アシスタントが腱鞘炎にならないための予防策と注意点
腱鞘炎にならないために、日頃から以下のポイントを意識してみましょう。
● 適度な運動やストレッチを行う
● 腕をマッサージする
● 仕事以外は手を休める
● ハサミやブラシを正しいフォームで使う
美容師のアシスタントは仕事で手を使うことが多い分、私生活ではできるだけ負荷がかからないようにすることが大切です。
また、疲れを感じたら適度なマッサージやストレッチを行うなど、日々のケアを忘れないようにしましょう。
また道具の持ち方が悪い場合、手に余計な負荷がかかっている可能性があります。
フォームを見直して、最小限の力で効率よく道具を扱えるようになれば、疲労や腱鞘炎のリスクを減らせるため一度確認してみましょう。
しかし、痛みを感じる場合はすぐに病院にいきましょう。
浅知恵のセルフケアでは症状が悪化する可能性もあるため、医師の指示に従うことが大切です。
美容師のアシスタントは腱鞘炎と上手に付き合うことが大切
美容師アシスタントが腱鞘炎になる原因や症状、業務内容、予防策や注意点について解説してきました。
美容師アシスタントは業務中に手首周辺に負荷がかかりやすいため、腱鞘炎になる可能性が他の職業よりも高いです。
そのため、適切な予防策を取って発症を防ぐことが重要です。
定期的なストレッチやマッサージなどを行い、業務を行う上での負担の軽減が腱鞘炎の予防につながります。
また、腱鞘炎で無理をすれば後に長期の治療や仕事からの離脱を余儀なくされることがあります。
万が一発症した場合は、すぐに病院に行き医師の判断に従うようにしましょう。
ライター：あゆかっと（びすけっとリンク広報担当 元美容師の経験を生かして皆さまをサポート！）
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