「オーダーした髪型ではない」
「頭皮が荒れた」
「服に薬剤が付いて汚れた」
美容師にはこのようなクレームが発生する可能性があります。
顧客が感情的になっている場合もあり、対策を用意していなければ美容師やサロン側も気が動転して適切に対処できないおそれもあるでしょう。
この記事では、サロンでクレームに発展する原因や、押さえておかなければならないポイントを解説します。
美容院でクレームになる4つの原因
美容室で発生するクレームには、4つの原因が考えられます。
- 仕上がり
- 料金
- 汚れ
- ケガ
それぞれの詳細は、以下のとおりです。
仕上がりに対する落胆
「髪が希望より短い」や「思った髪色と違う」、「パーマがかかっていない」など仕上がりに対する落胆が、クレームにつながるケースです。
特に短くなった髪は戻せないので、カウンセリングの際に注意が必要になります。
料金の説明不足
「ホームページに掲載されている料金より高かった」や「最初に提示された料金より高かった」といったお金に関するクレームも少なくありません。
たとえば、1回でも黒染めをした既染部はトーンアップが難しくなるため、トーンアップを希望するなら通常より料金が高くなります。
美容師としては当たり前ですが、これを説明して納得したうえでの請求でなければクレームになるのも仕方がありません。
忙しいや常連客だからと甘く考えず、料金に関しては丁寧に説明しましょう。
衣服やアクセサリーへの汚れ付着
カラー剤やパーマ液が付着して、服やアクセサリーを汚してしまったケースです。
アクセサリーは施術前に預かったり、服はクロスの内側に入れるように気を配ったりするだけで汚れが付着する可能性を抑えられます。
薬剤やハサミによるケガ
薬剤で頭皮が荒れたり、目に入ったりすることで発生するクレームです。
また、ハサミの刃が耳や首に当たり、ケガを負わせるケースもあります。
全面的に美容師側の責任なので、誠心誠意謝り、補償しなければいけません。
美容師がクレームに直面した際の5つのポイント
美容師がクレームに直面した際には、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
- 謝罪
- 責任の所在を明確に
- 補償内容を伝える
- スタッフ間で共有
- 繰り返さないための対策
それぞれについて解説します。
まずは不愉快にしたことに対して謝罪する
クレームで電話や来店された顧客は感情的になっている可能性があります。
まずは落ち着いてもらうために不愉快にしてしまったことに対して謝罪しましょう。
落ち着いてもらわなければ建設的な話し合いができないので
「不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありません。状況や内容をお聞かせください」
といった言葉を、焦らず冷静に伝えることが大切です。
どちらに非があるかを明確に
上記で解説した原因によるクレームであれば、美容師やサロン側が責任を取らなければいけません。
しかし中には悪質なクレーム、「クレーマー」と呼ばれるような人物も存在するため、美容師と顧客のどちらに非があるのかを明確にする必要があります。
塗布したカラー剤をわざと服に付けクリーニング代や購入費を請求したり、仕上がりが気に入らないと激高し話も聞かず料金も未払いで退店したりするクレーマーもいます。
美容師やサロン側に責任がある場合は誠心誠意対応しなければいけませんが、このようなクレーマーには一歩も引かず毅然と対処しましょう。
責任の取り方を提示
美容師やサロン側に責任がある場合は、責任の取り方を提示します。
仕上がりが希望どおりではないなら、お直しや返金が責任の取り方として挙げられるでしょう。
服やアクセサリーを薬剤で汚した場合には、3つの責任の取り方が挙げられます。
- クリーニング代を支払うor預かってクリーニング店やアクセサリーショップに持ち込む
- 購入金額を支払う
- 同じものを購入してお渡しする
どの責任の取り方を望むかを聞き取り、希望に沿うようにしましょう。
薬剤で頭皮が荒れたケースは、顧客のかかりつけ医かサロンが紹介できる皮膚科に処置と診断書を依頼します。
損害保険に加入しているなら、これらの費用は保険会社に請求できるので領収書や診断書を残しておきましょう。
スタッフ間で共有
クレームは基本的に担当したスタイリストが対応しますが、オーナーや店長、スタッフ間でも共有しましょう。
お直しの場合は施術時間を短くする配慮も大切であり、スタッフの協力が欠かせません。
また、当事者間では解決が難しい場合にはスタッフに第三者として仲介に入ってもらい、話し合いを調整してもらう必要があります。
同じ失敗を繰り返さないための対策
クレームにつながる原因を分析し、対策を講じて失敗を繰り返さないことが重要です。
料金に関するクレームは施術前に説明するだけで予防できます。
サロンから近い病院をリストアップしておくことで、頭皮が荒れたり薬剤が目に入ったりする事態に陥っても迅速に対応できます。
まずはクレームを未然に防ぐための対策を、そしてクレームが発生した場合の対策も用意しておきましょう。
幅広い対応力を身につける
顧客の要望を正確に読み取るカウンセリング力や、共有したイメージを具体化するためのスキルを身につけることもクレーム対策になります。
美容師専門誌や講習からも学びはありますが、現場での対応力を養うにはスポットワークが適しているでしょう。
系列店へ、ヘルプに行くように他店舗のサロンワークに参加するスポットワークには、勤めるサロンとは異なる客層や薬剤に触れる機会を得られるメリットがあります。
5つのポイントを押さえてクレームから固定客に!
クレームが発生した際には、以下の5つのポイントを押さえましょう。
①謝罪
②責任の所在を明確に
③補償内容を伝える
④スタッフ間で共有
⑤繰り返さないための対策
この5つの対策を誠実に講じることで信頼を回復し、クレームから固定客につながる可能性を高められます。
また、クレームを未然に防ぐ対策として、カウンセリングの精度とスキルの向上が有用です。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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