人口や出生率は下降が続いていますが、サロンの施設数は増加傾向にあります。
市場は厳しくなっており、多くのサロンや美容師が売上アップに取り組んでいます。
客単価や来店サイクルも重要ですが、来店の可能性のある人口が減少している時代において、最も重要なのがリピート率です。
この記事では、リピート率の詳細な算出方法について解説します。
美容師の売上は「リピート率」「客単価」」「来店サイクル」によって構成
美容師の売上において、最も重要なのはリピート率です。
美容師の売上はリピート率と客単価、来店サイクルによって構成されています。
1人当たりが1回の来店で支払う料金が高く、来店周期が短いほど、スタイリスト1人当たりの売上は高くなります。
しかし、リピート率が低い、つまり失客が多ければ一時的に売上が高くなったとしても低下は避けられず、安定しません。
そのため、「客単価」「来店サイクル」「リピート率」の売上を構成する3つの要素の中で、最も重要になるのがリピート率なのです。
例え客単価アップや来店サイクルの短縮に取り組んだとしても、顧客に負担を強いる施策ではリピート率の低下を招き、結果的に売上は低くなるでしょう。
逆に高いリピート率を維持できているなら、少しの客単価アップや来店サイクル短縮でも大幅な売上アップにつながります。
美容師のリピート率の計算方法
リピート率をサロン経営や売上アップに活用するには、以下の項目に分けて算出する必要があります。
・新規客
・フリー客
・指名客
・紹介客
また、それぞれの顧客の属性でリピートの内訳(指名orフリー)や来店回数ごとのリピート率を算出しなければいけません。
項目を分けない全体的なリピート率では、新規客をつかむ力がないのか、指名客からの支持を維持する力がないのかが判断できません。
詳細なデータを収集することで、サロンやスタイリスト個人の長所・短所が分析でき、対策を講じられます。
それぞれのリピート率の計算方法は、以下のとおりです。
新規客のリピート率計算方法
「(再来店につながった新規客数÷総新規客数(紹介客を除く))×100=新規客のリピート率」
上記のようにリピート率を概算した後、リピートまでにかかった期間と、リピート客の指名割合を算出します。
1年間の新規客のリピート率を算出して、初来店から1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月とリピートまでにかかった期間ごとに分類しましょう。
リピートが指名か否かの割合も算出することで、新規客の詳細なリピート状況を把握できます。
フリー客のリピート率計算方法
「再リピートした客数(来店3回目)÷総フリー客数(来店2回目)×100=フリー客のリピート率」
指名にならなかったフリー客のリピート状況を把握するための計算です。
3回目の来店で指名になる割合、フリーのまま何回来店するのかなど、フリー客の動向を分析すると対策を講じやすくなります。
指名客のリピート率計算方法
「来店3回目の指名客数÷来店2回目の指名客数×100=3回目の来店につながった指名客リピート率」
「来店4回目の指名客数÷来店3回目の指名客数×100=4回目の来店につながった指名客リピート率」
上記のように、指名客が来店を重ねるごとにリピート率がどのように変動しているかを算出します。
指名客だからいって気を緩めず、「緊張感を保っているか」や「飽きさせない工夫をしているか」といった顧客の要望に応える努力を続けることが肝要です。
紹介客のリピート率計算方法
「再来店した紹介客÷総紹介客数×100=紹介客のリピート率」
紹介客の失客は、紹介した顧客の失客につながるおそれもあるため、リピート率が低い場合は注意が必要です。
総合的な「対応力」がリピート率を上げる要
技術的にも接客的にも、幅広い客層に適応する「対応力」が、リピート率の向上を図るうえで重要です。
提供する技術やターゲットの客層を限定して成功している一部のサロンもありますが、多くのサロンは幅広い年代、幅広い要望に応えなければいけません。
そのため、技術力や接客力が偏っていると、一部の客層のリピート率は高くても全客層のリピート率は上がりにくく、総合的なリピート率は低いままとなってしまいます。
厳しい美容業界を生き抜くためにも、幅広い対応力を養うことが大切です。
リピート率は顧客の属性ごとに算出し、幅広い対応力を養う
リピート率は概算だけでは、どこを改善するべきなのか、どこから取り組めばいいのかなどの判断が困難です。
「新規客」「フリー客」「指名客」「紹介客」の4つの属性に顧客を分類し、それぞれのリピート率を算出することで対策を講じやすくなります。
また、リピート率の向上を図るには、技術的にも接客的にも幅広い対応力が必要です。
勤めているサロンの客層が偏っている場合は幅広い対応力を身につけることは難しく、独立やサロンを移って客層が変化した際に適応できない可能性もあります。
将来の選択肢を増やすためにも対応力の向上が推奨されます。
対応力の向上を図るには異なる客層のサロンワークを体験することが有用であり、普及が進む「スポットワーク」が適しているでしょう。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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