さまざまな商品やサービスの値上げが続くなか、美容室経営においても値上げを検討しているオーナーも少なくないでしょう。
安定した質の高いサービスと技術力を提供するために、値上げが必要になる場合もあります。
しかし、値上げに踏み切るのは経費の最適化や削減を図ってからでなければ顧客満足度の低下、ひいては経営の悪化につながるおそれがあるでしょう。
この記事ではサロンオーナーに向け、美容室経営の健全化を図るために経費を把握し削減するコツについて解説します。
そもそも美容室の経費にはどんなものがある？
美容室の費用には以下の5つがあります。
- 固定費
- 材料費
- 水道、光熱費
- 人件費
- 宣伝、求人費
それぞれの費用の詳細については、以下のとおりです。
固定費
固定費として挙げられるのは、テナント料(家賃)や保険料、電話・ネット通信費です。
テナント料はもちろん、保険やブロードバンドも加入する際にコストパフォーマンスについて調べてあるため、費用削減の余地は少ないでしょう。
材料費
カラー剤やパーマ液、処理剤、スタイリング剤など、来店客数が多いほど使用量が増えるのが材料費です。
売上の5～10％が材料費の理想とされています。
水道・光熱費
電気料金や灯油料金が値上がりしたため、美容室の光熱費も高騰しています。
しかし、顧客に快適な環境を提供するために営業中はエアコンの使用を控えるわけにはいかず、シャンプーに使う水の量も節約は難しいため、削減の余地が少ない経費です。
人件費
一人サロンを除けば、美容室経営において最も費用がかかるのが人件費です。
すでに雇っているスタッフの人件費を削減するのは推奨されませんが、これから人材を確保する際には人件費を抑える対策を講じられます。
宣伝・求人費
宣伝や求人は、媒体によって費用に幅があるのでコストパフォーマンスが適正であるかを確認しましょう。
特に求人は媒体によって費用の幅が大きく、採用後の人件費にも影響するので注意が必要です。
抑えられるのは材料費と人件費、宣伝・求人費
経費の中で抑えられるのは「材料費」と「人件費」、「宣伝・求人費」です。 それぞれの費用を抑えるコツを解説します。
材料費を抑えるコツ
材料費を抑えるコツは、ムダを徹底的に省くことです。
薬剤の使用量を減らしてクオリティが下がっては意味がありませんが、特にカラー剤は作り過ぎた分は処分するしかなく費用のムダになります。
比率計算を楽にするため大雑把なグラム数で調合したり、作り足す手間を惜しんだりして、頻繁に作り過ぎた薬剤を捨てているなら改善が必要です。
日頃のサロンワークで塗布幅と毛量を基に、最適な量で薬剤調合ができるようにしておきましょう。
パーマ液に関しても、ワインド後の液のかけ方によって使用量が大きく変わります。
ロットを巻いた表面側から勢い良くパーマ液をかけると、髪に浸透する前に大部分が垂れるため、必要以上に消費します。
また薬剤のムダ以外にも、必要以上にパーマ液をかけ根元にまで浸透すると、ボリュームがダウンしたり、毛流れが変化したりしてクオリティが下がるでしょう。
ロットを巻いた裏側から浸透に適した勢いでパーマ液をかけることで使用量を減らせるので、材料費を抑えられます。
人件費を抑えるコツ
人件費を抑えるコツは、週末や繁忙期に限定した人材確保です。
美容院には繁忙期と閑散期があり、繁忙期にスタッフ数を合わせると人件費が高騰し、閑散期に合わせると繁忙期のサロンワークが回りません。
繁忙期や土日祝日にパートやアルバイトを雇う方法もありますが、より有用なのが「スポットバイト」の導入です。
パートやアルバイトは雑用をメインに任せるケースが多いですが、美容室のスポットバイトに特化したサービスを利用すれば求めるスキルを募集条件として指定でき、サロンワークの戦力として加えられます。
契約を継続する必要はなく人手が欲しい時だけ単発で活用できるため、閑散期は抑えられ、繁忙期には見合った人件費になります。
宣伝・求人費を抑えるコツ
宣伝費に対するリピート率と定着率を鑑みて、採算が取れていないようであれば宣伝媒体の変更や利用の中止を検討しましょう。
客層と宣伝媒体の相性が悪い場合は、費用に対して効果が見込めません。
ホームページやSNSなどを活用して、費用を抑えながら宣伝する方法もあります。
求人費用はサロン専門求人サイトが高く、総合求人サイトは安い傾向にあります。
また、求人の反応を求めると同業他社より待遇面を良くする必要があり、採用後の人件費も高騰しがちです。
前出のスポットバイトは求人活動としても有用で、美容室と美容師に特化したサービスを提供する「びすけっとリンク」はその代表格のひとつです。
ブランク明けの美容師が復帰のきっかけとしてスポットバイトに取り組むケースもあり、他のサロンに所属していないのであれば就職を打診しても問題ありません。
サロンワークを通じて人となりや技術力を把握できるので、採用してからギャップが発生するリスクを抑えられます。
「材料費」「人件費」「宣伝・求人費」を抑えて美容室経営を健全化！
美容室の経費のうち、削減できるのは「材料費」「人件費」「宣伝・求人費」です。
特に人件費と求人費はサロン経営の経費に占める割合が大きく、互いの関係性も深くなっています。
人件費と求人費を抑える対策として「スポットバイト」の導入は有用であり、その代表的なサービスが「びすけっとリンク」です。
経費を抑え、美容室経営の健全化を図る対策を講じる際には、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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