数年間のアシスタント時代を経てようやくスタイリストになり、最初にぶつかる壁が月売上100万円の突破です。
安定して月売上100万円を突破できるようになれば、歩合制を選んで給与を増やしたり、新たな環境で自分を試したりすることもでき、選択の幅が広がります。
この記事では、スタイリストが月売上100万円を突破する方法について紹介します。
月売上100万円を突破するための基本的な考え方
月売上100万円を突破するには、指名を取れる客層の幅を広げる必要があります。
特殊パーマや個性的なスタイルなどに特化したサロンを除くと、得意とする客層の幅が広い方が総客数を増やしやすくなり、売上も上がるからです。
スタイリストデビューしたては同世代や自身より若い世代のお客様を担当する機会が多く、その客層への対応力も身につきます。
しかし、この客層だけでは月売上50~60万円で頭打ちとなり、売上100万円には届かないケースが多いでしょう。
10代~20代前半の客層だけで月売上100万円を突破しているなら、より資金力のある30代や、グレイカラーのため来店サイクルが短くなる40代以上の客層にも対応できるようになれば月売上200万円以上も難しくありません。
そのため、得意な客層を広げることが、月売上100万円を突破するための基本的な考え方になります。
ポイントになるのは「指名客数」「客単価」「来店サイクル」
売上は「指名客数」「客単価」「来店サイクル」の3つで構成されています。
フリー客の売上が大部分を占めているなら、サロンの集客力によるところが大きいためスタイリスト個人の実力による売上とはいえません。
それぞれの要素を向上させるポイントを、以下に紹介します。
指名客数を増やすポイント
指名を受けるためには、「このスタイリストでなければ求める髪型にならない」と思わせることがポイントになります。
そのために必要になるのが「髪質や嗜好の理解度」と「スタイルの展望」の提示です。
初めて担当する際には髪質やスタイルの好みの把握に努め、それを理解していることを顧客に示します。
普段スタイリングする時に難しく感じていると推測される部分を指摘し、対策のために施した技術面を分かりやすく解説することで髪質の理解度と技術力を示せます。
「このスタイリストは自分の髪質を理解してくれている」、「他のスタイリストでは同じようには仕上がらない」と思わせれば、指名につながる可能性が高くなるでしょう。
また、季節によるスタイルチェンジや伸ばしていく過程のスタイル提案など、スタイルの展望を共有できれば、「このスタイリストに任せたい」という気持ちを後押しできます。
客単価を上げるポイント
客単価を上げる方法として、以下の3つが挙げられます。
・苦手な施術の克服
・プラスメニューの提案
・高単価メニューの開発
施術ごとの売上を確認し、サロンの平均比率を下回っているメニューがあれば改善を図りましょう。
例えば、パーマの平均比率を下回っているなら、提案自体が少ないかリピート率が低い可能性があります。
どちらにしてもパーマが苦手なことが推測されるため、苦手を克服し、平均比率まで上げるための対策を講じましょう。
トリートメントやポイントストレートなど、プラスメニューを提案することでも客単価アップを図れます。
バングやフェイスラインに癖があるとスタイリングで困ったり、湿度が高い日にスタイルが崩れやすくなったりします。
全体をストレートにする必要がない、または全体的にはパーマをかけている顧客でも、バングやフェイスラインのクセで悩んでいるならポイントストレートは受け入れられやすいため、単価アップの施策として有用です。
インナーカラーやクリープパーマなど、通常より単価の高いメニューの開発も客単価アップに効果的です。
来店サイクルを短縮するポイント
「そろそろ美容院に行くタイミングかな」と思っても、イベントや用事がなければ2~3週間来店が延びることは珍しくありません。
そのため、スタイリングが難しくなる時期の明言と、来店を促す声かけが重要です。
顧客の髪質を理解していればスタイリングが難しくなる時期の予測は容易であり、理解度を示しつつ来店を促せます。
POSレジなどを導入していてDMを送る手段があるなら、来店サイクルの1~2週間を目安に来店を促しましょう。
閑散期に月売上100万円を超えたら安定
閑散期でも月売上が100万円を超えるようになれば、一人サロンで独立や、面貸しなどを利用したフリーランスも選択できます。
サロンに残りディレクターや店長を目指したり、成長のためにサロンを移ったりするなど、将来の選択肢が広がります。
技術力と対応力をアップする方法
対応できる客層の幅を広げることが指名客数を増やすポイントですが、サロンの客層自体が偏っている場合には容易でありません。
所属するサロンでは対応できる客層の幅を広げるための技術力と対応力の向上が難しい場合に、その両方を上げる方法として有用なのが「スポットワーク」です。
単発の派遣のような働き方であり、導入するサロンや取り組む美容師が増加傾向にあります。
サロンに所属したまま他店舗のサロンワークに参加することは容易ではありませんでしたが、定休日や公休日にスポットワークに取り組めば、普段とは異なる客層や技術に触れる機会を得られます。
収入も得られてメリットの多いスポットワークですが、所属するサロンのオーナーに承諾を得てからでないとトラブルに発展するおそれがあるので注意しましょう。
「指名客数」「客単価」「来店サイクル」の3要素の向上を図り、月売上100万円を突破
月の売上100万円を突破するには、対応できる客層の幅を広げつつ「指名客数」「客単価」「来店サイクル」の3つの要素の向上を図ることがポイントです。
閑散期でも月売上100万円を超えるようになれば、将来の選択肢が広がります。
月売上100万円の壁に悩んでいるスタイリストは、対応力と上記の3要素を向上するための対策を講じてみてはいかがでしょうか。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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