美容師が月売上200万円を突破するのは容易ではありません。
月売上200万円を突破するにはスタイリスト個人の技術力はもちろん、アシスタントへの指導力や広い視野が必要になるからです。
この記事では月売上200万円の壁に悩んでいるスタイリストに向け、壁を打ち破るコツについて解説します。
スタイリストが月売上200万円を突破するのはどのくらい大変?
ホットペッパービューティーが公開するデータによると、2022年の全国平均客単価は7,345円です。
週休2日なら月22日出勤になり、月売上200万円を目指すなら平均すると1日約9万円の売上が必要になります。
全国の平均客単価7,345円を基に計算すると、1日9万円の売上を得るには12.25人担当しなければいけません。
スタイリスト一人ではもちろん、付くアシスタントが一人でも大変なサロンワークになります。
参照元:ホットペッパービューティー 美容センサス データブック
得意な客層の幅を広げる
特定の客層に特化したサロンでもない限り、得意とする客層が偏っていると月売上200万円どころか100万円の突破も難しいでしょう。
そのため、対応できる客層の幅を広げることが重要です。
得意な客層の幅を広げるための「情報収集」と「サロンワーク」について、以下に解説します。
対応できる客層の幅を広げるための情報収集
対応できる客層の幅を広げるため、不得意な客層について理解を深めましょう。
例えば、学生のメンズ客は多く、社会人のメンズ客は少ないとします。
メンズといっても学生と社会人では適した髪型が異なり、定番となったツーブロックは職種や企業の規定によっては適さないケースもあります。
ツーブロック自体はスタイリングが楽になりサイドの張りを抑えられる優れたスタイルなので、刈り上げ部分の長さやカットラインのぼかし方で対応して提供すれば、社会人のメンズ客にも受け入れられるでしょう。
20代の女性でも、独身の社会人と既婚者の子育て中では、髪のために割けられる時間も求めるものも異なります。
月売上200万円以上を目指すなら、より細かく顧客の背景や生活環境を分析して「髪型に求めているもの」や「髪型に関する制限」などの情報を収集し、理解を深める必要があります。
対応できる客層の幅を広げるための技術力と応用力と身につける
顧客が髪に求めているものや髪型に関する制限の情報を収集したら、それを提供するための技術力や応用力が必要です。
自身に不足している技術力や応用力に長けているスタイリストがサロン内にいると、スキルの修得は比較的容易です。
しかし、サロン内にそのようなスタイリストがいない場合は、外部でスキルを修得しなければいけません。
外部で修得する方法は2つあり、ひとつが講習です。
クセ毛に対応したカットやダメージ毛に対する薬剤選定など、さまざまな講習がありますが、ピンポイントで求める技術を修得できる機会は少なく、時間と費用が必要になります。
もうひとつの方法が、求める技術力や応用力を有する店舗のサロンワークに参加することです。
従来はサロンを移らなければ不可能でしたが、普及が進む「スポットワーク」に取り組めばサロンに所属したまま他店舗のサロンワークに参加できます。
サロンが日時や求めるスキルを指定し、条件に合う美容師がスポット的にサロンワークに加わる新しい働き方であり、系列店やつながりのある店舗にヘルプに行くことが珍しくない美容業界においても導入が進んでいます。
所属するサロンとは異なる客層や技術、薬剤に触れる機会になるので、収入を得ながら技術力や応用力の向上を図れるでしょう。
ただし、所属するサロンのオーナーに話を通さず取り組むと、転職や辞める準備と捉えられる可能性があり、トラブルに発展するおそれがあるので注意が必要です。
「客単価アップ」と「来店サイクル短縮」のための施策
既存の顧客の売上を上げるためには、客単価アップと来店サイクルの短縮が有効です。
プラスメニューの提案が客単価アップに効果的ですが、押し売りになってしまうと失客につながりかねません。
時間はかかりますが、失客を避けつつ客単価を上げるならプラスメニューをオーダーするか否かの二者択一をその場で迫らず、次回以降の提案のひとつとして勧めましょう。
興味を持ってもらえるかどうかはイメージできるかがカギになるので、インナーカラーを提案するならポイントウィッグやエクステなどを用意し、ヴィジュアル化できるようにしておきます。
来店サイクルの短縮は、次回の予約を取ってもらうことが効果的です。
土日祝日は予約が混み合いやすく、第一希望の時間の予約が取りにくいため、来店が土日祝日に限定されている顧客には次回の予約取得の提案が容易です。
次回の予約を取ってもらう際に通常の来店サイクルより1~2週間早めを提案しましょう。
土日祝日の予約が先まで埋まる状況を作れば、金曜の最後や平日の最初などの予約が埋まりやすい時間帯にも、次回の予約取得を勧めるのが容易になります。
客層をより細かく分析し、技術力と応用力を身につけることが月売上200万円を突破するコツ
月売上100万円までは客層の分析がアバウトでも到達できます。 しかし、200万円を突破するには、より細かく客層を分析し、対応できるスキルを身につけなければいけません。
並行して客単価アップや来店サイクルの短縮を図ることで、月売上200万円突破の可能性を高められます。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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