世代間のギャップなどにより、新人教育に悩みを抱える指導担当者は少なくありません。
加えてサロンでは練習の時間を営業後に充てるケースが多く、他業種に比べてアシスタント教育が難しくなっている傾向にあります。
この記事では教える立場になった美容師に向け、アシスタント教育における注意点や改善点を紹介します。
令和のアシスタント教育とは？
美容師をはじめ、料理人や大工などの技術職では「見て学ぶもの」や「修行は厳しくて当たり前」といった考え方が見受けられました。
厳しい言葉や態度で指導に当たるケースもありましたが、令和のアシスタント教育には適さない考え方です。
教師が厳しく指導すれば問題になり、親が厳しく躾けると虐待を疑われるケースもあり、若い世代は怒られることへの耐性が弱い傾向にあります。
一方で若い世代は効率主義だったり、情報収集能力が高かったりするため、効率化を図った論理的な指導が適しているでしょう。
時代に合わない教育を続けるデメリット
時代に合わない教育を続けるデメリットは、離職率が高くなり、人材確保が難しくなることです。
厚生労働省が公開する「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について」によると、美容師を含む生活衛生サービスの有効求人倍率は3.12となっています。
求める人材の3分の1しか確保できていない状況です。
加えて美容専門学校の入学者数も伸び悩んでおり、美容業界は深刻な人材不足に陥っています。
美容師の離職率が高いのは教育方法だけが原因ではありませんが、時代に合わない教育を続けることで、さらに人材確保が困難になるおそれがあるでしょう。
参照元:厚生労働省 「一般職業紹介状況(令和5年4月分)について」
アシスタントの教育環境を整えるメリット
アシスタントの教育環境を整えることで、離職率の低下や定着率の向上を図れます。
また、整った教育環境は求人活動における武器にもなります。
スタッフの離職率の低さや定着率の高さ、整った教育環境は、美容師や美容学生が求職活動に取り組む際に重要視するポイントです。
「労働環境」「待遇」「教育環境」の3つは求職者が注視するポイントであり、特に美容学生やアシスタントはサロンの教育環境が就職希望先の選考基準になります。
アシスタントの教育環境を整えることが、人材確保の対策にもなるでしょう。
令和のアシスタント教育の改善点
令和のアシスタント教育の改善点は、下記の3つです。
- 教育カリキュラムのアップグレード
- 練習時間の確保
- 労働基準法の遵守
それぞれの改善点について、以下に解説します。
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教育カリキュラムをアップグレード
ベーシックなカットやカラーの基本的な塗布方法などは変わりませんが、教育カリキュラムの見直しとアップグレードは必要です。
例えば、20年前は2,000円程度で購入できたカットの練習用ウィッグは現在、倍以上の値段になっています。
数をこなす修得方法では金銭的な負担が大きくなっているため、より少ない回数で効率的にカットを修得できる教育へのアップデートが必要です。
また、フローチャートを作成してスタイリストになるまでのプロセスを見える化するなど、分かりやすく効率的な教育カリキュラムが求められています。
練習時間の確保
営業前後を練習時間に充てるケースが多いですが、サロンワークで疲れていたり、睡眠不足だったりする状態で取り組む練習は効率的とはいえないでしょう。
営業後の時間を練習に充てるなら曜日や時間を絞り、短時間で集中した練習が推奨されます。
また、平日や閑散期には営業時間内に練習時間を確保するのも有効です。
パワハラ・労働基準法違反に注意
相手のためを思っての言動だったとしても、相手がパワハラだと感じれば訴えられかねないので注意しましょう。
練習中はもちろん、サロンワークに対する厳しすぎる叱責もパワハラとして罰せられるおそれがあります。
また、就業時間外に練習を強要すると労働基準法に抵触するおそれがあるので、法律にも配慮した指導方法や教育プランの確立が求められます。
他のサロンのアシスタント教育を参考にする
アシスタントの教育環境を考える際に、他のサロンの教育カリキュラムや教育方針を参考にする方法もあります。
とはいえ、他のサロンの教育に関する情報を入手するのは容易ではありません。
そこで有用なのが「スポットワーク」です。
美容師とサロンのマッチングに特化したサービスも提供されており、アシスタントへの指導方法だけではなく、勤めるサロンでは触れないスキルや知識を吸収できるチャンスも得られます。
美容師スポットワークで他のサロンを見てみませんか？
美容室経営者や管理職になると他サロンの現場を肌で感じる機会は非常に少なくなります。
これはある意味普通のことですが、新しい考え方や手法を取り入れにくくなり経営者が成長しにくいのが現状です。
講習会などの机上の論理だけではなく、現場の空気を感じる方法としてご紹介したいのが美容師のスポットワークです。
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは？
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
「スポットワーク」で最大限にスキルを磨くための3つのポイント
サロン経営者であれば逆に人を雇うこともでき、美容師同士の情報交換も可能です。
教育環境を整備すれば人材確保にもつながる
深刻な人材不足が続く美容業界では離職率の低下や定着率の向上を図るため、教育環境を整える重要性が高まっています。
- 教育カリキュラムのアップグレード
- 練習時間の確保
- 労働基準法の遵守
上記の3つが教育環境を整備する際の重要なポイントになり、求人活動においても強力な武器になるでしょう。
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ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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