美容室を開業する際には、保健所の立入検査があります。
必要な設備が備わっているか否か、基準を満たしているかなどが調べられますが、開業時以外にも保健所が抜き打ちで検査に訪れるケースもあるので注意が必要です。
この記事では、美容室の抜き打ち検査の内容や注意点について解説します。
保健所の抜き打ち検査は拒否できる？
開業時には、下記について保健所の検査が実施されます。
- 床の素材
- 消毒設備
- 消毒済器具類の保管場所
- 照度(作業面は100ルクス以上)
- 待合スペースの確保
- 作業スペースの面積とセット面の割合
床の素材や構造的な基準に関しては、手を加えない限り開業後に変わることはありません。
抜き打ち検査で調べられるのは、道具の消毒に関して適正に実施されているかや、美容師免許を持っていないスタッフが施術をしていないかといった点です。
施術後にハケやロット、シザーなどの消毒をしない美容室も少なくないため、保健所が抜き打ちで検査を実施します。
また、抜き打ち検査に法的な強制力はなく、拒否は可能です。
ただし、検査を拒否した美容所としてサロン名や経営者名を保健所が公開する場合もあるため推奨されません。
消毒設備と消毒剤を抜き打ち検査時にチェックされる
日々のサロンワークに追われ、怠りがちな道具の消毒ですが、下記の消毒設備と消毒剤が必要です。
- 消毒用のふた付きバット
- 消毒済みと未消毒の道具を分ける容器
- 消毒剤(消毒用エタノール・次亜塩素酸ナトリウム溶液・逆性石けんなど)
また、地域によりますが施術時に着用する白衣やエプロンが必要になるケースもあるため、いつ保健所が抜き打ち検査に訪れても問題のないように準備しておきましょう。
美容師免許を持っていないスタッフがいる場合は要注意
筆者の勤めた美容室で保健所の抜き打ち検査を2回受けた経験がありますが、そのうち1回はスタッフが美容師免許を保有しているか否かのチェックもありました。
スタッフ全員ではなく、数人の氏名と美容師資格の有無を確認されましたが、幸いにも無資格者はおらず事なきを得ました。
しかし、以下の3つの理由から美容師資格を持っていないスタッフが施術に加わるケースもあり、営業停止や場合によっては美容師本人が逮捕されるケースもあるため、甘く考えず法律に則った営業を心がけましょう。
アイリストがいる美容室
マツエクの施術を担当するアイリストについては、美容師免許の要否がグレーゾーンとされていましたが、健康被害が相次いだことにより、2008年3月7日から美容師法の適用が始まりました。
しかし、その後も無免許でマツエクの施術を行うサロンが多く、問題となっています。
メニューとしてマツエクを導入し、美容師免許を保有しているスタッフのみが施術している美容室は問題ありませんが、無免許のアイリストを雇用している場合は保健所の抜き打ち検査で発覚するおそれがあります。
参照元:厚生労働省 「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」
内定者が国家試験に落ちた場合
美容師の国家試験は年2回あり、美容専門学校の卒業見込み生が中心に受ける春期は実技が2月、筆記が3月上旬に実施され、合格発表があるのは3月31日です。
当然、この時期までに卒業見込み生は美容室から内定を受けているでしょう。
全日制であれば100％に近い国家試験合格率ですが、残念ながら落ちてしまう人もいます。
サロンオーナー次第ではありますが、秋期に国家試験合格を目指すことを条件に内定取り消しにならず、そのまま美容室に就職できるケースもあります。
美容専門学校の卒業生ではありますが無免許なため、掃除や片付けはできても施術には参加できません。
しかしながら、人手不足からシャンプーや基本的なカラー施術を任せてしまうケースが少なからずあります。
カラー剤により頭皮が荒れ、示談では済まなくなるまで事態が大きくなると、業務上過失致傷罪に問われる可能性があり、無免許であれば量刑が重くなり禁固刑を課されるおそれもあります。
営業停止になる美容室をはじめ、免許を持たないスタッフ本人にとってもリスクが大きいため、法令遵守を心がけましょう。
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
人気占い師もお値打ち価格
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
美容専門学校の通信制に通っているスタッフ
美容専門学校の通信制に通いながら美容室で働く人もいます。
上記の国家試験に落ちた美容学校卒業生と同様に、無免許でありながら施術にあたるケースが少なくありません。
その背景として人材不足が挙げられ、日本の人口減少やサロン施設数の増加もあり、その深刻さは増すばかりです。
解決策として待遇面や労働環境の改善が推奨されていますが、幅広い求人媒体の活用や新しい働き方への対応も有用です。
求人誌などの紙媒体からオンラン上の求人媒体が主流となり、多種多様なサービスが提供されています。
求職者もオンライン上の求人媒体を利用して求職活動に取り組むため、美容室にも対応が求められています。
また、派遣会社に登録したり、スポットワークに取り組んだりする美容師が増加傾向にあり、新しい働き方の導入も人材不足の解消に向けた有用な対策の一つです。
求人に美容師スポットワークを検討してみませんか？
求人費用の高騰で求人を諦めているサロンも多いと思いますが、美容師のスポットワーク「びすけっとリンク」をご存知ですか？
手の空いている美容師さんと、忙しい時だけ手伝ってほしい美容室をマッチングするサイトです。
美容師免許の有無も確認できるので安心して美容師さんに依頼することができます。
掲載も登録も無料、マッチング費用もかかりません。
- 人を育ててもすぐ辞める
- なかなか求人が集まらない
- フルタイムでのスタッフ人件費が出せない
そんなサロンにはオススメです。
美容師のスポットワーク、スポットバイトなら「びすけっとリンク」
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは？
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違うサロンで働く経験を得やすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
「スポットワーク」で最大限にスキルを磨くための3つのポイント
現役美容師の副業にも復職前の事前準備にも適した美容師のスポットワーク・スポットバイトは、びすけっとリンクで簡単に検索できます。
保健所がいつ検査に訪れてもいいように日頃から準備しておく
保健所の抜き打ち検査は法的な強制力がないため、拒否することは可能です。
しかし、サロン名や経営者名を公開されるおそれがあるので拒否は推奨されず、いつ抜き打ち検査が来ても困らないように準備しておくことが大切です。
日々のサロンワークに追われていると道具の消毒などを怠りがちですが、刃物や薬剤を使用し、直接お客様に触れる業務であることを改めて意識して、衛生管理の徹底を心がけましょう。
ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
＃美容室アルバイト ＃美容師アルバイト ＃美容師スポットワーク ＃美容師スポットバイト ＃びすけっとリンク ＃ビスケットリンク ＃びすけっとりんく