美容師にとって、目標の一つである独立。
経営を軌道に乗せたり、スタッフの指導に当たったりするため体力を必要とし、美容師は30代で独立する傾向にあります。
では、40代からでは美容師の独立は難しいのでしょうか?
この記事では、美容師が40代で独立する際の注意点や、成功のカギとなる多様性のある働き方について解説します。
美容師の平均年収は40代がピーク
美容師を含む「生活衛生サービス業」の平均年収になりますが、ピークを迎えるのは40代後半です。
50代以降は平均年収が下がり始めるため、独立を目指すなら40代までが推奨されます。
ただし、40代は体力の衰えも感じ始める年齢であり、後述するサロンの営業形態や取り入れる働き方の選択が重要になります。
参照データ:厚生労働省 「令和4年賃金構造基本統計調査の概要」
独立自体のハードルは下がっている
従来は雇用してスタッフを構成するサロンが大半を占めましたが、さまざまな営業形態のサロンが展開しています。
雇用する場合は広い店舗や人件費が必要になるため、開業には多くの自己資金や融資が必要です。
一人サロンやシェアサロン、訪問美容サービスといった従来にはなかった営業形態もあり、スタッフを雇用するサロンに比べて開業のハードルは低くなっています。
それぞれの営業形態についての解説は、以下のとおりです。
従来のスタッフを雇用するサロン
一般的なサロンの形であり、紹介する中では開業費用や必要経費が高い傾向にあります。
資金面のリスクは高いですが、スタッフの育成や店舗拡大に成功するとリターンも期待できる営業形態です。
一人サロン
増加傾向にあるのが、一人サロンです。
文字どおりスタッフを雇わず、オーナー一人でサロンワークに当たるため店舗面積を必要としません。
店舗の面積が小さくなればテナント料や内装工事費が下がります。
人件費も発生しないため、確保する運転資金も抑えられる点もメリットです。
シェアサロン
シェアサロンは市街地を中心に普及が進んでいます。
面貸しなどとも呼ばれフリーランスの美容師がサロンワークに当たる場所を提供します。
運営に成功すれば、家賃収入のように利益を得られる営業形態です。
ただし、成功するためには設備や利用料、立地などで同業他社との競争に勝たなければいけません。
訪問美容サービス
高齢化が進み、需要が高まっているのが訪問美容サービスです。
本来、保健所の検査に合格した美容所でなければ、美容業の施術はできません。
しかし、病気や高齢のためサロンに来ることができない者に対しては、美容師側が出向いて施術することが認められています。
今後、ますます高齢化が進む日本では、訪問美容サービスの需要が高まるでしょう。
ただし、訪問美容サービスの開業費用はピンキリです。
セット面やシャンプー台を車に搭載した移動店舗を用意するなら、店を開くほどの費用が必要になります。
施術をカットに限定すれば、必要になるのは鏡とクロス、掃除道具くらいなので、開業費用を大幅に削減できます。
また、自治体によっては手続きが不要なケースもあるので、開業が容易な点もメリットの一つです。
働き方の多様化が進む美容業界
美容業界の働き方も多様化が進み、サロンの営業形態に適した選択をすることで経営の健全化が図れます。
雇用以外の美容師の働き方として、下記の4つが挙げられます。
- 業務委託契約
- フリーランス
- 派遣契約
- スポットワーク
それぞれの働き方についての解説は、以下のとおりです。
業務委託契約
完全歩合制の給与体系は、業務委託契約に分類されます。
集客や予約対応などの業務はサロンが担うため、歩合率以外は雇用との差が少ないでしょう。
フリーランス
個人事業主として、シェアサロンなどで活動する働き方です。
サロン側としては、集客や顧客対応などの負担がなく利益を得られるメリットがあります。
シェアサロンとして開業したり、人材の確保に難航した際に部分的に面貸しとして活用したり、さまざまな営業形態に導入できます。
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派遣契約
派遣会社に登録し、条件が合ったサロンに派遣される働き方です。
派遣会社が仲介する分、人件費が高くなりがちですが、教育や求人活動の手間が抑えられるメリットがあります。
人手不足が深刻な場合は、選択肢の一つに入るでしょう。
スポットワーク
サロンと美容師、双方にとって幅広い活用方法が強みのスポットワークです。
サロンが指定する日時に単発の派遣のようにサロンワークに参加する働き方であり、美容師の副業やダブルワーク、復帰のきっかけとして普及が進んでいます。
土日祝日や繁忙期に限定した人材確保ができるため、サロンにとっても人件費の最適化が可能です。
一人サロンで順調に顧客が増えた際の選択肢としても有用です。
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単発でのお仕事なので、比較的時給が高いこともメリットの一つです。
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独立するなら40代がラストチャンス!営業形態や働き方の選択が重要
美容師は40代で平均年収のピークを迎えるため、独立を目指すならラストチャンスになります。
一人サロンや訪問美容サービスなど、美容師の独立の形も多様化が進んでおり、開業のハードルは下がっています。
派遣やスポットワークなどの新しい働き方も登場し、営業形態との組み合わせ方が経営成功のカギとなるでしょう。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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