長年勤め上げた労働者に支給される退職金。
将来の生活を考える上で重要なお金ですが、美容師に退職金はあるのでしょうか?
この記事では、美容師の退職金や将来困らないためにできることについて紹介します。
退職金制度を導入しているサロンはごく一部
退職金制度を導入しているサロンは少ないのが実態です。
給与は「毎月1回以上、一定の期間を定めて支給する」ことが労働基準法により定められていますが、退職金に関しては支給義務がありません。
終身雇用が主流だった日本企業で退職金制度は普及しましたが、独立や転職が珍しくない美容業界では導入するメリットが希薄でした。
企業に資金的な体力がなければ退職金は支給できず、一般企業においても退職金の減額や制度の廃止などが広がっています。
一般企業の状況を鑑みても今後、退職金制度を導入するサロンが増える可能性は低いでしょう。
そもそもボーナスを支給するサロンも少数派
退職金と同様に、ボーナスの支給も義務化されていません。
ボーナスを支給しないサロンが多く、支給したとしても平成30年の理美容師の平均年間賞与額は7万2,100円です。
同年の平均月収が24万5,900円なので、約0.3カ月分しかボーナスはありません。
厚生労働省が発表する「毎月勤労統計調査 平成31年2月分結果速報等」によると、美容師を含む「生活衛生サービス業」の平成30年年末賞与は平均0.58カ月分となっており、同じ産業の中でも低い水準となっています。
参照元 厚生労働省 「平成30年賃金構造基本統計調査」
リスクを抑えた独立も選択肢の一つ
美容師は退職金が支給される可能性が低いため、将来性を考えるなら独立も選択肢の一つです。
スタッフの雇用を大前提とした独立はテナント料や敷金礼金、内装工事費、人件費が高くなり、開業にはリスクを伴います。
リスクがないわけではありませんが一人サロンやフリーランスで活動するなど、リスクを抑えられる独立もあり、選択の幅は広がっています。
独立の特徴についての解説は、以下のとおりです。
一人サロン
文字どおり、オーナー一人で営業するサロンです。
狭いテナントでも開業でき、家賃や敷金礼金、内装工事費が抑えられます。
マンツーマンで施術と接客ができるためクオリティを維持しやすく、高い顧客満足度を目指せる点もメリットです。
フリーランス
フリーランスには業務委託契約や面貸しの利用などがあり、雇用契約ではない分、自由な働き方や高い報酬設定が可能になります。
開業費用がかからないリスクを抑えた独立ですが、集客や予約対応、経費や税金の計算・納付などの負担があります。
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サロンに勤めたまま収入を増やす方法
美容師に適した副業の選択肢が増え、独立せずサロンに勤めたままでも収入を上げることが可能です。
将来性の高い副業として、下記の3つが挙げられます。
- スポットワーク
- クラウドソーシング
- 資産運用
それぞれの副業について、以下に解説します。
収入とスキルの向上、人脈も広がる美容師の「スポットワーク」
美容師のスポットワークは、単発の依頼を受けて指定された日時にサロンに立ちます。
小売店や接客業などのアルバイトで広まりましたが、美容師とサロンのマッチングに特化したスポットワークも普及が進む働き方です。
収入を得られるのはもちろん、他店舗の技術や知識を吸収する機会になり、美容師の人脈が広がるメリットもあります。
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは?
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
「スポットワーク」で最大限にスキルを磨くための3つのポイント
現役美容師の副業にも復職前の肩慣らしにも適した美容師のスポットワーク・スポットバイトは、びすけっとリンクで簡単に検索できます。
将来的に事業として成り立つ可能性のあるクラウドソーシング
クラウドソーシングサービスが普及し、オンライン上で委託業務の発注・受注が容易になりました。
委託業務は多岐にわたり、サイトやイラストの制作、ライティングなどがあります。
報酬を得られるほどの技術を修得するには時間と労力が必要ですが、他事業者との差別化を図れれば、副業ではなく事業として成り立つ可能性もあります。
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資産運用
資産運用と聞くとハイリスクハイリターンのイメージを持たれがちですが、つみたてNISAやiDeCoなど、少額から始められるローリスクの投資もあります。
厚生年金ではなく国民年金に加入している美容師が多いですが、私的年金とも呼ばれるiDeCoは将来の安心を考える上でも有用です。
NISAやiDeCoの掛金は非課税なので節税にもなり、金利の低い銀行に預けるより多くのメリットがあります。
退職金は期待できないので自分で対策を講じる
退職金が支給される美容師は稀です。
一般企業の退職金も削減や制度廃止の流れにあるので、美容業界で退職金制度が普及する可能性は低いでしょう。
そのため、独立や副業、資産運用など、培ってきたスキルや知識を活かせる市場を開拓し、リスクヘッジを図ることが重要です。
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ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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