アシスタント時代は営業の前後に練習に取り組みますが、スタイリストに昇格した後に練習は必要なのでしょうか?
SNSや雑誌でヘアスタイルの流行をチェックするのはもちろん、アシスタント時代とは異なる練習に取り組まなければ売上は伸びません。
この記事では、美容師の収入とスキルの向上につながる練習方法を紹介します。
スタイリストになっても練習は必要
美容師を続ける限り、練習は必要です。 ただし、アシスタント時代とは異なる練習が必要になります。
スタイリストにとって重要になる3つの練習について、以下に解説します。
展開図に起こす
スタイルを見て、正確に短時間で展開図に起こせるようになりましょう。
なぜなら、顧客を多く抱えるほど求めるスタイルに仕上げるためどのようなプロセスでカットするかを、短時間で判断しなければならないからです。
また、展開図の正確性が下がると、「オーダーと違う」などのクレームにつながる可能性があります。
レングスやステムはもちろん、インナーレイヤーやセニングをどのように入れるかまで展開図に起こせるようになりましょう。
後輩の指導に当たる際にも、展開図に起こせると理解を促すのに有用です。
端的で分かりやすい指示を出す
アシスタントに端的で分かりやすい指示を出せるように訓練しましょう。
顧客を抱えるほどアシスタントとの連携が重要になり、端的で分かりやすい指示が出せるか否かがクオリティと顧客満足度を左右します。
例えばカラーの際、一人で施術するなら髪質や既染毛の状態から感覚的に「ティントが乗りにくいな」や「トーンが上がりにくいな」といった判断をして、薬剤の調合比率を調整することがあります。
明度の高いカラー剤やティントの濃いカラー剤などを加えて調整しますが、カラー剤の調合や塗布をアシスタントに任せる場合は、感覚的だった毛髪診断と調合理論を分かりやすく端的に伝えなければいけません。
さらに塗布量や手順、毛先の処理、タイム設定なども伝える情報として加わるため、売上を上げるスタイリストにとって「端的に分かりやすく伝える」という技術は重要になります。
ワインドに関しても同様であり、アシスタント時代の練習や一人で施術に入っている段階では修得しにくい技術なので、意識的に取り組む必要があります。
日進月歩の薬剤に対応
カラー剤やパーマ液、前後の処理剤などは、日々進化しています。
また、薬剤は進化するとともに種類が大幅に増えました。
一つのメーカーだけでも数百本のカラー剤がラインナップされており、リニューアルやマイナーチェンジもあるので常にアンテナを張っておかなければいけません。
クリープを促す機材や超微粒子の水蒸気を噴出する機材なども含めると組み合わせは幾通りもあり、スタイリストになってからも知識や情報の収集に取り組む必要があります。
サロン外でスキルや知識を向上させる2つの方法
上記の練習はサロン内でもできますが、サロンの外に出なければ修得できない技術や知識もあります。
サロン外でスキルや知識を向上させる方法として挙げられるのが、一つは難易度の高い講習、もう一つは他店舗のサロンワークへの参加です。
2つの方法について、以下に解説します。
難易度の高い講習への参加
スキルや知識の向上を図るのに講習の受講が有用ですが、難易度の高い講習が推奨されます。
スキルアップを図るなら、目標となる美容師が講師を務める講習を受講しましょう。
メーカーのインストラクターやディーラーが講師を務める講習は、商品の紹介や解説に偏りがちになり、美容師が講師を務める講習の方は技術に焦点が当てられます。
ただし、講師が美容師であればどの講習でもいいわけではなく、作るスタイルや技術が目標となる美容師の講習に限ります。
なぜなら、美容師の個性や見識が講習に反映されるため、無作為に受講すると考え方やスキルにまとまりがなくなったり、ブレたりする可能性があるからです。
ケミカル知識の吸収を図るなら、メーカーの研究員や開発に携わる人が講師を務める講習が適しています。
一定以上の化学の知識がなければ理解は困難ですが、レベルの高い情報を得られます。
他店舗のスキルや知識に触れるチャンスを得られるスポットワーク
スキルや知識の向上を図る手段として、他店舗のサロンワークへの参加が有用です。
普段とは異なる技術や薬剤に触れるチャンスになる上、情報交換や人脈の拡大にもつながります。
サロンに勤めたまま他店舗のサロンワークに参加することは容易ではありませんでしたが、スポットワークを導入することでハードルが下がります。
スポットワークは美容師の副業として注目されており、収入を得ながらスキルアップを図れる点がメリットです。
美容師とサロンのマッチングに特化した「びすけっとリンク」などの無料で利用できるサービスも提供されており、スキルアップに限らずさまざまな取り組み方があるでしょう。
美容師スポットワークで他のサロンを見てみませんか?
美容室経営者や管理職になると他サロンの現場を肌で感じる機会は非常に少なくなります。
これはある意味普通のことですが、新しい考え方や手法を取り入れにくくなり経営者が成長しにくいのが現状です。
講習会などの机上の論理だけではなく、現場の空気を感じる方法としてご紹介したいのが美容師のスポットワークです。
美容師のスポットワーク・スポットバイトとは?
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
「スポットワーク」で最大限にスキルを磨くための3つのポイント
サロン経営者であれば逆に人を雇うこともでき、美容師同士の情報交換も可能です。
スタイリストになってからの練習は取り組み方と質が重要
美容師を続ける限り、練習は生涯欠かせません。
しかし、スタイリストになってからは練習の取り組み方や質が重要になります。
アシスタント時代には取り組まなかった「伝える技術」が、特に重要になるでしょう。
また、難易度の高い講習の受講やスポットワークの導入なども、スキルアップを図る手段として推奨されます。
ライター:ティム(美容師歴20年、現在はフリーランス)
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