「募集しても人が来ない……」
深刻な人手不足が常態化した美容業界では、このような悩みを持つ美容室オーナーも多いのではないでしょうか？
美容室の人手不足は解決の見通しが立たず、対策を講じないままだと今後さらに人材の確保が困難になるおそれがあります。
この記事では人材の確保が難しい背景や、5つの募集方法のメリット・デメリットについて解説します。
募集しても人材が集まらない理由と解決方法
一部を除き、大半の美容室が人手不足です。
厚生労働省が発表するデータによると、美容師を含む業種の有効求人倍率は3.31倍となっています。
コロナ禍前から求人倍率3前後が続いており、美容専門学校への進学者数もピーク時より低い水準で停滞しています。
新規就職者が伸び悩み、離職率も高い美容室は人手不足解消の見通しが立たない状況です。
打開策として挙げられるのが労働環境の改善です。
給与を含めた働き方を見直すことが、人材を呼び込む魅力になります。
地域のほかの美容室と比べて、客観的に判断して働きたいと思われる労働環境を整えなければ、今後も続くことが予想される人手不足は解消できないでしょう。
参考元:厚生労働省 「一般職業紹介状況 令和5年2月分」
【募集方法①】求人サイト
労働環境の改善に加えて、予算や目的に合った募集方法を選ぶことも重要です。
求人情報を収集する際にはインターネットを活用するケースが多いため、広く人材を募集する方法として求人サイトが有用です。
求人サイトには「サロン専門」と「総合」の2種類があり、それぞれの特徴を以下に解説します。
サロン専門求人サイト
サロン専門の求人サイトは閲覧者が美容師に絞られるので、応募の見込みが高いことがメリットです。
サイトにアクセスする人は条件の良い美容室を探しているため、募集要項が魅力的であれば応募の可能性が高くなります。
ただし、サイトによって掲載料金に違いがあり、費用が高額になるケースもあることがデメリットです。
なかには１カ月の短期掲載で50万円以上かかるサロン専門求人サイトもあります。
一方で、新しい働き方として注目されるスポットワークに特化したサロン専門求人サイト「びすけっとリンク」のように無料で掲載できるサービスもあります。
サロン専門求人サイトを選ぶ際には、掲載費用にも注意しましょう。
【無料で人材募集】美容師のスポットワーク・スポットバイトとは？
スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。
隙間時間を有効活用しながら働け、副業として美容師をすることや、違う環境で働くことを経験しやすいといった特徴があります。
また、様々なサロンでの業務経験ができるため、多くの先輩美容師や薬剤に触れる機会が格段に増え美容師としてのスキル向上にも一役買います。
「スポットワーク」で最大限にスキルを磨くための3つのポイント
サロン経営者であれば逆に人を雇うこともでき、美容師同士の情報交換も可能です。
しかも利用料金は無料、もちろん成功報酬もかかりません。
総合求人サイト
総合求人サイトには、美容室以外にもさまざまな業種が掲載されています。
サイト全体の閲覧者数の多さは魅力ですが、美容師以外が多数であるためサロン専門サイトに比べると応募の反応は薄くなる傾向です。
【募集方法②】人材派遣サービス
求める人材の条件を運営会社に伝えることで、条件に合った美容師が派遣されます。
面接や教育の手間はかからないメリットはありますが、派遣費用が加わるため人件費が高くなる点がデメリットです。
また、派遣会社との契約があるので、時間外労働に対する手当てについても厳守しなければいけません。
【募集方法③】求人検索サイト
美容室のホームページ上の募集情報や求人サイトの掲載情報を網羅的に検索するサービスです。
求人サイトを横断的に検索するため、掲載情報と閲覧者の両方が多く、登録しなくても無料で検索結果に反映されます。
ただし、情報が多い分、ほかの美容院の募集情報に埋もれる可能性が高く、検索結果の上部に掲載するには有料オプションに契約する必要があります。
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【募集方法④】リファラル（スタッフや知人の紹介）
リファラルとはスタッフや知人からの紹介です。
紹介に対して報酬を払うか否かは事前に取り決めておけば自由であり、紹介であれば人となりやスキルなどが保証されます。
デメリットは、人材を確保できるタイミングが読めないことです。
【募集方法⑤】SNS運用
SNS上で情報を発信する美容室は多く、募集情報を掲載すれば応募も見込めます。
就職先として気になる美容院を調べる際には、ホームページやSNSが用いられます。
特にSNSは美容室に対する口コミなどの情報も収集できるため、就職や転職活動には欠かせないツールです。
スタッフのSNSからも募集情報を投稿してもらえれば、応募の確率がより高くなります。
無料で募集情報を掲載できる点はメリットですが、いつ反応があるか読めない点はデメリットです。
美容室の労働環境を改善し、複数の募集方法を組み合わせて人材確保
美容業界の人手不足が解消される見込みは立っていません。
今後も厳しいことが予想される美容室の人材の確保には、ほかの美容室より魅力的な労働環境を用意することが打開策として有用です。
募集方法は選択肢が増えているため、選ぶ際にはメリットやデメリット、費用の有無などの違いを把握し、状況や目的によって組み合わせましょう。
ライター：ティム（美容師歴20年、現在はフリーランス）
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