美容師の給料は時給換算にするとどのくらい?歩合制or固定給or時給

美容師の時給ってどれくらい?
給料の仕組みはどうなってるの?
歩合給や固定給、どれが良いのか詳しく教えて!

物価高騰は相次ぐものの、賃金アップは進んでいません。

シザーやダッカールなど、美容師にとっての必需品にも値上げの波が及んでおり、収入や賃金に対する関心が高まっています。

では、美容師の給料は時給換算にするといくらになるのでしょうか?

この記事では、時給換算した美容師の給料や、時給制の派遣美容師の実態について解説します。

ライター:ティム
美容師歴20年、現在はフリーランス美容師。
サロン勤務の傍ら美容業界の昨今について執筆活動をしています。

目次

美容師の平均月収

美容師の給料は、アシスタント、スタイリスト、役職持ちといった各ステージで異なります。

データは厚生労働省が公開する「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」を参照しました。

それぞれのステージの給料についての解説は、以下のとおりです。

参照データ:厚生労働省 「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

10代後半~20代前半はアシスタントが多いため月収が低い

厚生労働省が公開するデータを参照すると、美容師を含む「生活関連サービス業」の10代後半~20代前半の平均月収は18万1,000円~20万8,900円となっています。

調査対象の16業界中13番目です。

高い月収とは言えませんが、10代後半~20代前半にかけてはアシスタントが大半を占めるため、致し方ないのかもしれません。

20代後半になるとスタイリストに昇格している

20代後半になるとスタイリストに昇格する美容師が大半になりますが、平均月収は23万4,300円と13番目のままです。

スタイリストになっても平均月収が低いままであることが、高い離職率の原因の一つと推察されます。

美容師の月収のピークは40代後半

美容師の平均月収のピークは40代後半です。

40代後半で平均月収31万4,700円になりますが、50代後半から月収の減少が顕著になります。

美容師の給料を時給換算すると約975円

労働時間は1日8時間、1ヶ月の残業時間45時間までと労働基準法で定められています。

しかし、1ヶ月の残業時間が45時間を超えるケースや、残業代が支払われないケースが美容業界の実状です。

労働基準法を遵守した概算と、遵守されていない実態を以下に紹介します。

労働基準法を遵守した概算】美容師の給料の時給換算

美容師の20代後半の平均月収23万4,300円を概算に用います。

週休2日として23日出勤すると月の労働時間は184時間です。

通常、残業代は25%アップになります。

「(X×184)+(X×45×1.25)=23,4300」となり、「X=975.234131」です。

労働基準法の遵守を前提とすると、美容師の給料の時給換算は約975円になります。

実態は労働基準法を大きく超える労働時間

上記では美容師の給料の時給換算が約975円になりましたが、実際には週休2日もないサロンや労働時間が超過しているサロンもあるため、概算より低い時給になることが予想されます。

厚生労働省が公開する資料によると、2023(令和5)年10月時点の全国の平均最低賃金は1,004円です。

労働基準法の遵守を前提としても、美容師の給料の時給換算額は全国平均より低く、実態はより過酷な動労環境にあることが推察されます。

参照資料:厚生労働省 「地域別最低賃金の全国一覧」

営業後の後輩の指導やミーティングに報酬は発生しない

美容師は営業時間以外にも、後輩の指導やミーティングなどの報酬の発生しない業務があります。

そのため、労働環境やサロン内のポジションによっては、より給与環境が悪い美容師もいるでしょう。

時給制の派遣美容師も選択肢の一つ

美容師の働き方として普及している「派遣美容師」ですが、その強みは時給制であることです。

派遣美容師の強みと、単発の派遣のような働き方である「美容師スポットワーク」について解説します。

派遣会社に登録して、時給制でサロンに派遣される

通常はサロンと雇用契約を結びますが、派遣美容師が雇用契約を結ぶのは派遣会社です。

美容師はサロンに求める条件を派遣会社に提示し、サロンは人材に求めるスキルを派遣会社に伝え、両者の条件が一致すれば美容師がサロンに派遣されます。

4つの派遣サイトを確認すると、派遣美容師の時給は1,200~1,800円が相場です。

アシスタントは1,200円程度、スタイリストになると1,500~1,800円くらいになっています。

時給1,800円とすると、残業がない場合は月23日出勤で33万1,200円、制限まで残業があれば43万2,450円です。

美容師の平均月給より大幅に高くなります。

報酬の発生しない労働は拒否、または派遣会社から抗議できる

派遣美容師であれば、後輩の指導やミーティングなどの報酬の発生しない業務は拒否できます。

サービス残業などを強要された場合は拒否し、それでも改善されなければ派遣会社を介して抗議できます。

サービス残業を回避できるので、プライベートの時間を確保しやすいのも派遣美容師のメリットの一つです。

美容師のスポットワークで時給制の副業に取り組む

とはいえ、派遣美容師にもデメリットはあります。

契約期間があり一つのサロンには留まれないことや、役職に就くのは難しいことなどがデメリットとして挙げられます。

派遣美容師のデメリットに懸念がある場合は、サロンに勤めつつ、単発の派遣のような働き方である「美容師スポットワーク」に取り組むのも選択肢の一つです。

サロンが指定する日時に、時給制でサロンワークに当たります。

単発の案件なので定休日や公休日、閑散期などに取り組みやすく、スキマ時間も活用できます。

時給制で働く派遣美容師も選択肢の一つ

美容師の平均月給を時給換算すると約975円です。

しかし、労働基準法の遵守を前提とした概算なので、実態は概算より低い時給換算になるでしょう。

契約期間や役職に就けないデメリットはありますが、安定した給料やプライベートの時間を確保しやすいメリットがある派遣契約も、美容師の働き方として選択肢の一つになるのではないでしょうか。

美容師スポットワークで他のサロンを見てみませんか?

美容室経営者や管理職、トップスタイリストになると他サロンが何をやっているか、現場を肌で感じる機会は非常に少なくなります。

講習会などの机上の論理だけではなく、現場の空気を感じる方法としてご紹介したいのが美容師のスポットワークです。

美容師スポットワーク、スポットバイトは日にちと時間が指定された仕事を単発で行う働き方です。

様々なサロンで経験ができるため、多くの技術や薬剤に触れる機会が格段に増えスキル向上にも一役買います。

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